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『江戸の坂・東京の坂』その76。白山周辺の坂道を歩く。元々文京区には坂道が多いが、ここ白山も本郷台地に向かう勾配のきつい坂道が多い。
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都営地下鉄三田線白山駅で下車して上るとすぐ裏手に白山神社がある。坂道の前にまずはこの地名の由来となった白山神社に向かう。
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この社の歴史は古く、948年に加賀国白山比咩神社から勧請を受け、現在の本郷1丁目付近に創建された。1655年にこの地に遷座され、以降、徳川家からは深く信仰された。
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白山神社への道は軽い登りとなっているが、この坂には名前はない。また、神社の中には白山と深い関わりのある孫文のレリーフがある。
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元の道まで戻るが、ちょうど『薬師坂』の中腹あたりで坂の上が白山上、下が白山下となっている。坂の上にある妙清寺に薬師堂があったため、この名前が付けられた。ほかにも白山神社があったため『白山坂』、坂下に浄雲寺という寺があったので『浄雲寺坂』とも呼ばれていた。
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ここから白山下まで下り、左に曲がるとすぐに『八百屋お七』の墓がある円乗寺があり、お地蔵さんが祀られている。八百屋お七は歌舞伎や講談などで色々と取り上げられた有名な物語だが、はっきりとした史実は明確ではない。また、この墓自体も歌舞伎役者の五代目岩井半四郎が墓石を追加したものとされている。さらにほかにも幾つかあるらしいが、小生は手を合わせておいた。
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その先からかなり急な上り坂となるが、これが『浄心寺坂』である。浄心寺がそばにあったためついた名前だが、『於七坂』の別名もある。
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少し戻り、左に細い道があるので行くが、左側は崖になっており、その下を歩く。しばらく行くとまた左側に上る坂が現れるが、これが『中坂』。浄心寺坂とこの先の胸突坂の真ん中にある坂ということらしい。(以下、次回)