春になると目を惹く花の一つがハクモクレンである。地元にも結構庭木として植えてあるが、先週人形町通りを歩いていると甘酒横丁の入口辺りに2.5メートル位のハクモクレンの木が一本、綺麗に花を付けているのを見つけた。
この木は花が咲く時にしか認識しないが、そのインパクトは強い。近所にも咲いているが、ハクモクレンの木は大きくなる。
我が家の近所でも一番大きな家の庭の中央部にはゴブシ(辛夷)の木があり、こちらの方も現在満開である。木は大木で数えられないほどの白い花がついている。
昔、教科書に載っていた堀辰雄の随筆の中で信州旅行の車窓から彼の妻が満開の辛夷の木を見つけるが、堀辰雄には見つけられないくだりがあるが、その位見事な花である。
ハクモクレンも辛夷もモクレン科の木であるからよく似てはいるが、花が上に向いて咲くのがハクモクレンで、横向きに咲くのが辛夷である。
因みにこれがハクモクレン
そしてこちらが辛夷(コブシ)の花
また、よくみると下の方がまとまっていて半開きに咲くのがハクモクレンで完全に開花しているのが辛夷である。そのため、風が吹くと辛夷の方はヒラヒラと花が揺れて美しい。
何れにしても葉が出る前に花が咲き、木全体が花で覆われる姿がソメイヨシノ同様目を惹く原因であろう。こうした花が咲き出すといよいよ春も本番である。