『江戸の坂・東京の坂』その80。今回は皇居内にある2つの坂道を歩いてみた。大手門から皇居の中に入り、右側に二の丸雑木林、左側に白鳥濠を見ながら真っすぐ行くと左側に坂道が見えてくる。
これが『汐見坂』である。右側は石垣、左側は濠に囲まれた坂道で結構勾配がきつい。東京には汐見坂は数多くあるが、いずれも江戸や明治の頃には海が見えた坂道であるが、この坂も例外ではない。
元々、本丸と二の丸をつなぐ坂道で、江戸時代は現在の新橋から皇居前広場あたりは日比谷の入り江が入り込み、海が眺められたのであろう。今は高層ビルが見えるだけであるが。
汐見坂の下まで降りて少し先に行くと今度は右にカーブしながら登る坂道があるが、これが『梅林坂』である。この名前は1478年に太田道灌が菅原道真を祀り、梅の木を数百本植えたことからこの辺りには梅林があり、そこからつけられた名前である。今も50本ほどの梅の木が植えられており、早春には美しいらしい。
この坂道を登ると宮内庁楽部庁舎などが点在する。