hokutoのきまぐれ散歩

ブログも12年目、4000日に到達。ネタ探しはきついけどまだまだ毎日更新を続けるつもりです。

笹と竹

2017-07-07 05:00:44 | 日記

毎年、七夕の季節になると急にその存在が思い出される『笹』、これは十五夜の『すすき』、クリスマスの『もみの木』などと同じように完全に季節商品であり、残念ながら7月8日になると開票後の選挙ポスターのように記憶の外に飛んで行ってしまう。

そんな『笹』だが、子供の頃から『竹』との違いが気になっていた。『鷹』と『鷲』、『ふくろう』と『みみずく』、『サメ』と『フカ』同様にである。調べてみるとこの2つは植物の種類としては近いが異なるというのが正しい。

まず、笹は『ささやか』に由来し、竹は『丈がある』からタケと名付けられた。つまり、大きさが小さいのが笹、大きくなるのが竹というザックリとした分け方がある。中にはメダケという大きくなる笹の仲間や大きくならないオカメザサという竹という例外もあるが。
学術的には共にタケ類ではあるが、笹はイネ科タケ亜科で少し違う。ただ、いずれも茎が木のように(木質化)なるが、あくまで草と分類されるし、地下茎で増えるのも同じ、ただ、笹は日本固有種である。

(これは笹、皮が枯れても剥がれない。)

(これは竹、皮が剥がれてつるつるしている。)
竹と笹の区別はというと生育しているのが比較的暖かい地域に育つのが竹、寒冷地に育つのが笹であり、北海道では竹は育たない。また、外形的には筍(笹の子)が育った際にその皮が取れるのが竹、皮がついたままで枯れたように見えることがあるのが笹である。

ではなぜ七夕の飾りに笹をつかうのであろうか。七夕は豊作祈願や人の穢れを祓うために7月7日に行う日本古来の行事でこれに中国から来た織姫彦星伝説が加わったものである。笹に短冊を飾る習慣も日本にしかなく、宮中行事として供え物をして星を眺めていたことが起源らしい。

これを民間行事としたのは江戸時代になり、和歌の上達を願い、梶の葉に歌を書く習慣が始まり、さらに江戸幕府が七夕を五節句の一つと定めて、習字の上達を祈願したことから短冊を笹につけ始めたと言われている。ではなぜ笹なのかは明確ではありませんが、竹や笹には神聖な力が宿るとされていたので行事に用いられたと考えられている。

我が家でも小さな飾りは作るが、飾り終わった後の笹の処分に困り、数年前からビニール製の半永久的に使える笹に変わった。それでもこうした日本らしい風習は是非後世にも残していきたいと思う。