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四谷三丁目の銘酒居酒屋の雄、酒徒庵が店をたたんでしばらくになるが、ストイックな雰囲気が少し和らいだ『鎮守の森』という形で再開したと酒友のTくんから連絡を受け、早速お邪魔した。店の場所は以前と同じ、新宿通り沿いの妻家房という韓国料理の角を左に曲がると黒ずくめの店、看板はない。階段を地下に降りてインターホンを押して中に入る。
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かつては予約電話非公開でなんらかのつてで知らないと入ることもできない店であったが、今は食べログにも電話が書いてあり、普通に予約可能(但し、完全予約制)
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私が訪れた際は酒屋さんが来ていたので入口が開いていたが、通常は閉まっているため、Tくんはぐるぐると回ったらしい。
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コースは鍋のコースが3つ、牡蠣の土手鍋、もつ鍋、鶏の水だきから一つを選択、酒込みで8800円である。
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入口に迷ったTくんも来てスタート。まずは大根と鶏そぼろの煮物が出され、これには誠鏡スパークリング(広島県)を合わせる。さっぱりとした飲み心地。
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すると牡蠣が山のように入って、味噌が淵に塗られた鍋が登場。これを弱火で煮はじめる。
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つまみは2品目、ナスの志ぐれ煮、これに合わせるのが志賀泉(長野県)、初めてお目にかかる酒、酒米も美山錦から進化した山惠錦。これが華やかな甘い香りを放ち、また、ナスを食べながら飲むと旨さがさらに際立つ。
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3品目が鯵のフライ、ソースや醤油でなく、塩で頂く。酒は有磯 曙初嵐(富山県)、この酒も初見だが、アジフライをしっかりと受け止められる強さが旨い。
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土手鍋に突入、酒はまず彌右衛門(福島県)。土手鍋は当たり前だが、牡蠣が最高に旨い。そのエキスを吸って野菜や豆腐も旨さがすごい。ただ、あまり甘すぎない味噌は八丁味噌と信州味噌のブレンドでくどさがない。途中から山椒の粉を振りながら頂くが味が変わって旨い。
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秋あがりの美寿ゞ(長野県)、さらに私のわがままで酒米に愛山の酒をとお願いしてゆきの美人(秋田県)を頂く。やはり、愛山の酒は好みだが、甘さが抑えられており、これには少し驚く。
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この後も縁に塗られた味噌を舐めながらちびちびと分福(群馬県館林市)、開春(島根県温泉津)といった辛めの酒も頂く。最後にうどんで締め、大満足。
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最後のお酒は佐渡の加藤酒造の『風和・かぜやわらか』という生酒、これも風味の良いさらっとしたお酒。ワインを料理にマリアージュしながら頂くことはよくあるが、それを日本酒でできるのはそれだけの種類を揃えているからできるのである。ご馳走さまでした。
animisw bar 鎮守の森
新宿区四谷3ー11
05055963924