11月の風物の1つに酉の市がある。11月の暦で酉の日に大鳥神社や鷲神社、酉の寺などで市が立ち、これをお祝いするのだが、実は関東周辺にしかない。もともと鷲神社は日本武尊を祀り、鷲宮神社(埼玉県久喜市)を本社としている。そして、数年前に訪れた足立区花畑にある大鷲神社が栄え、本酉と言ったらしい。ただ、最近は鷲神社(下谷)や花園神社(新宿)が最も人の出が多い。
しかし、この2つの神社はごった返していて行くのも数年に一度、普段は家から比較的近い吉祥寺駅から歩ける武蔵野八幡神社にお参りに行く。今年は一の酉が1日、二の酉が13日、そして三の酉が25日であり、ようやくお参りに間に合った。
神社の境内には熊手を商う店が3軒、三の酉のため、受け取りにくる商家やお店の人も多く、拍子木や拍手が盛んに聞こえるのもいいものである。この時期は七五三の参拝客も多く、なんとなく穏やかな境内。神社に参る列もせいぜい10人ほど。
私は大きな熊手は求めず、神社の小さな熊手を2つ、娘の分も含めて購入。お参りをした。
酉の市と熊手の関係だが、「熊手で福をかき込む」という洒落のような所から来ているが、それだけではなく、江戸時代に盛んだった大鷲神社(足立区)の頃の市は周囲の農家が色々な産物や農具を持ってきてこれを商う市であった。
その中で熊手が売られていてその景品としてダルマやおたふくを熊手に添えて売るとよく売れたのが広がったのだという説が有力である。確かに飾り熊手を見ると小判やサイコロなどに加え、現在でもおかめやダルマ、兜などを付けたものが多いのである。