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『お酒をめぐるエトセトラ』その1。まあ、よくこれだけ飲みに行って飽きないものだと最近感じるようになってきた。昨年から今年にかけて私が昨年60歳となったため、還暦会や同窓会が相次いだということもあり、新たな出会いや久しぶりの旧交などとにかく飲み会が増えた。それに季節的な忘年会・新年会も重なり、週4回ということもある。もちろん、嫌なわけでなく、喜んで参加しているのだから、という訳で『呑むこと』や『酒のこと』で気になることを掘り下げてしまおうという新企画である。
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今回は居酒屋の通称によく使われる表現、『赤提灯』と『縄のれん』である。最近こそ居酒屋がチェーン化しているので『天狗』や『さくら水産』『甘太郎』など具体的な名前になってきたが、以前は『赤提灯で一杯』『縄のれんでも寄るか』などとよく使った。これは居酒屋は看板がわりに赤い提灯を店先に掲げたことが由来なのだが、なぜ赤い提灯なのだろう。
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確かによく知らない土地に出張に行った際にネットが発達する前は飲みたい時は赤提灯を探した記憶がある。焼き鳥屋に多い気がするのだが、ではなぜ、赤いのか、は色々と調べてみたが、単に夜目立つからくらいしか分からなかった。もちろん、黄色や白い提灯もあるが。
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また、緑の提灯は地産地消を行う店のシンボルだが、これは2005年に北海道農業研究センター丸山所長のアイデアで始まったもの。現在3000店舗、因みにこの運動に賛同しようとする飲食店は参加でき、提灯は大体1万円くらいである。私も何となくその精神が気に入っているのと店主が素材にこだわっているだろうと緑の提灯は好ましく思っている。
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もう一つの『縄のれん』だが、こちらは居酒屋でもなかなかお目にかかれなくなった。縄のれんをネットで買うと大体1万円だから緑の提灯と同じくらいだがあまり流行っていない。
のれん自体の歴史は古く、江戸時代には店の入口に風や日が入らない、また、防寒や店の名前がわかるように吊るし始めたらしく、中国から伝わったとも言われている。縄のれんについては布の暖簾より重く、江戸時代などは蝿が多かったため、入らないように吊るしたのが由来らしい。
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昔入った店の親父から『居酒屋は普段の不平不満を吐き出すところだが、悪いことのある次には良いことがきっとある、つまり禍福あざなえる縄の如しという故事の意味を込めているんだ』と言われたことがあったが、これが真実かどうかはわからないが。
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酒の席では感心したことも次の日になると殆どのことは忘れてしまっている、そのため、呑んだ時に学んでも、なかなか知識が増えていかないようである。