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3月は別れの月なのか、どうも私の周りで馴染みの店の閉店が相次いでいる。人形町のコンビニ、近くの馬肉料理を出す居酒屋、吉祥寺でよく使ったシュークリームの店、昨年末から数えるとスペイン料理のふくろう、蕎麦屋のよしむら、また、閉店ではなく場所が移るのは吉祥寺のお菓子屋やロジャース。その中で吉祥寺でたまに行ったフレンチの『サック』も来月15日で閉店することになり、最後のディナーにお邪魔した。
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入口にはフランス国旗、店の名前のAがエッフェル塔でおしゃれなのは変わらない。店にはすでに2組、我々は一番奥の席に座る。コースを予約していて、まずは生ビールをお願いする。
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最初に小さな前菜(アミューズ)が出てくるが、ハムのテリーヌ。香り深くレッドペッパーがピリ、ビールによくマッチする。
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次に帆立のサフランポシェ、帆立をサラダ仕立てにした一品でえんどう豆のムースの上に帆立、さらに様々な野菜、ブロッコリー、色とりどりのパプリカ、レンコン、ズッキーニ、人参、黒大根などが散りばめられていて目でも楽しめる。ムースは甘く、もちろんしっとりとした生の帆立との相性がいい。ここで白ワインをお願いする。ワインは詳しくないが仰っているとおり、蜂蜜のような香りが素晴らしい。
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次が魚料理、本日はオーナーさんの故郷である五島産の真鯛のポアレ。鯛の皮の部分をカリッと焼いてふっくらとした身とのコントラストが素晴らしい。ベルモットと白ワインのソースに豆と玉ねぎが入っている。このソースが絶品でもう食べられなくなると考えると悲しくなる。
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メインの肉料理は子羊のロースト。いつものチョップ部分ではなくロース、こちらも子羊の骨から作ったソースが美味い。私はフレンチでの肉料理は子羊が最も好きだが、扱い方の巧さには脱帽である。
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デザートはクレームドブリュレ、なぜか私の大好きなメニューが続く。キャラメリゼした部分がほろ苦く、甘いカスタードクリームとよく合う。最後にコーヒーを頂くが、量も丁度いい。
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オーナーといつもたわいない会話をしながらディナーを頂けるこの雰囲気はなにものにも変えがたい。もう、オーナーの満面の笑顔が見れないのは寂しい。
フレンチサック
武蔵野市吉祥寺南町1ー1ー8 けやきビル3階
05055951232