東急世田谷線の『世田谷散策切符』を購入して沿線をうろうろ。最初に乗車したのが松原駅だが、この駅では散策切符は販売していない。まずは通常通り150円を支払い乗車し、合わせて運転士に散策切符を購入する旨、話をすると『乗車券購入票』なる紙をくれる。
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これを切符を売っている三軒茶屋・下高井戸・上町の各駅の窓口に持って行くと乗車券代を差し引いて190円(元々の散策切符は340円)で販売してくれる。つまり3回乗れば元が取れる仕組みである。
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上町駅では無事『世田谷散策切符』を購入し、駅の北側にあるボロ市通りを目指す。さらにこれを左折すると木がこんもりと森のようになっていて、少し先に『世田谷代官屋敷』がある。
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世田谷代官屋敷は江戸時代中期以降、彦根藩世田谷領20ヶ村の代官を世襲した大場氏の役宅で都内にはここにしか残されていない。玄関には茅葺の立派な長屋門がある(門は閉まっている)。
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門の横が入口で母屋に入るとすぐに土間、奥の座敷の広さには驚く。母屋は1737年に作られた後、1758年に7代目当主盛政が代官となった際に増築されたもの、確かに当時の姿を残している。
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建物の天井も思いのほか高い。母屋を出て庭に出ると右手には大きな蔵や井戸がある。時計回りに歩くと、村人との面会の際に使われたお白洲の跡も残されていた。
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また、庭には大きな道標(右、登戸道・左・大山道と書かれている)や明治32年に三軒茶屋の富士講33回目の登山を記念した碑が残されている。
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今はすっかり住宅街となった世田谷だが、ここに来ると一気に江戸時代の雰囲気を味わうことができる場所である。(以下、次回)