第58回元祖駅弁と全国うまいもの大会で購入した駅弁を3つ持って帰る。夫婦2人でお昼に3個の駅弁はランチにはさすがに量が多く、夕飯でいただくことにした。
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まず、かにづくし弁当(山陰本線鳥取駅/1550円)はズワイガニを使った駅弁。昔からあるカニを炊き込んだカニ飯に加えてカニ脚の握り寿司2巻とカニ味噌が入っている。
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カニの握り寿司からいただくが、久しぶりということもあり、カニ脚の寿司はうまい。やや甘めの鮨酢もいい。少し醤油を垂らしていただく。
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カニ飯は蟹の味がよく沁みたご飯の上にカニの身が乗せてあるシンプルな、しかし滋味豊かな味わい。ただ、パンフの写真かなはこれでもかと乗っていた蟹のほぐし身が少ない様な気がした。添えてある椎茸の煮物、カニ味噌は酒のアテによかった。
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牛肉道場(奥羽本線米沢駅/1300円)は今回の駅弁の中で最もしっかりと味付けがしてあった。米沢駅の駅弁は新杵屋の大ヒット『牛肉ど真ん中』が有名だが、松川弁当店も明治32年の創業の老舗。昭和39年に『牛肉すき焼き弁当』、平成4年の山形新幹線開業と共に売り出したのがこの『牛肉道場』である。
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ご飯のうち半分にはすき焼きの牛肉、残りの半分には牛肉の甘く味付けをしたそぼろが乗り、真ん中に、はじかみ生姜を配置。万人が好きな味で付け合わせの野菜の煮物(ニンジン、椎茸、牛蒡、昆布巻)も美味く、全体でのボリュームもたっぷり。紫蘇巻き(中には甘い味噌入り)が泣かせる美味さであった。
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JRコンテナ弁当(山陽本線西明石駅/1600円)は鯛で有名な明石のお弁当。JRコンテナのミニチュアの中にたっぷりの鯛の出汁で炊いた鯛めし、さらに上には2切れの鯛の切り身も乗っている。味の変化を付けるために甘く煮たひじきも配してある。
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私はこの『たて85mm×よこ130mm×高さ85mm』に魅せられて買ってしまったのだが、中々どうして美味い弁当であった。(実際のコンテナの内径はたて2275mm×よこ3647mm×高さ2275mmである)
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結果として3つとも味付けのご飯中心の駅弁となったのは選択ミスなのかも知れないが、味はいずれもかなりハイレベル。また、量も気がつけば連れ合いと2人で完食、もちろんお腹が一杯となったのは間違いない。さて来年はどんな駅弁に出会えるだろう。皆様もお楽しみに。
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