『久我山歳時記』その㉚、11月8日は立冬、暦の上ではもう冬。まだ、真夏日もあったが、急に朝夕が寒くなり、やはり暦に間違いないことを実感。ただし、本当に秋は短く、『四季』から『二季』になってきた気もする。
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(郁子)
前回の歳時記では柿、郁子(むべ)、ブドウ、レモンなど街歩きで多種多様の果物をつける植物を取り上げたが、まだまだあったので書いてみた。
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まずは柘榴(ざくろ)、赤い花が咲き、赤い実を付ける果物だが、実が熟すると下の方が裂けて赤く透明な果肉がたくさん現れるところは独特である。久我山会館の前を歩いていた際にふと上を見上げると柘榴の実を発見したのである。
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三鷹台駅に向かう途中にある夏みかんの木には数えきれない実がなっている。ナツミカンは春に白い花を付け、秋には果実を付ける。だんだん橙色になっては行くが、春先までは酸味が強すぎて食用にならない。
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冬を越してから春になり、ようやく食べられる。つまり、ナツミカンとは言うものの旬は4〜5月である。古くは酢の代用品として使用していたこともあった。
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次はアケビである。花が紫のものはスミレをはじめ、ツユクサ、バンマツリなどたくさんあるが、実が紫色のものはアケビくらいしかない。神田川沿いの畑の際にある(植えてある?)のだが、先日紹介した郁子は近い。ただ、郁子は色はアケビほど鮮やかではない。もう熟して実が割れて食べ頃になっている実もあった。
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カリンの木を見つけたのは久我山神社の本殿のお隣。この木は5mはある小高木でカリンの実を見つけたが、周りを見るとたわわにたくさんの実がなっている。カリンは酸味が強く、硬いので生食には向かないが、熱を加えることで柔らかくなり、砂糖漬けやシロップ漬けなどに加工される。咳止めの効果もあると言われ、成分を用いた咳止めの飴もあるほどである。
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最後に驚いたのはヒメリンゴ、可愛らしいリンゴのような小さな実をつけるのだが、なぜかこの陽気で真っ白な花をつけている。桜の花に似ていて中々可愛らしい。千葉では桜も咲いているというニュースを聞いたばかりだが、この季節外れの暑さが植物の体内時計を狂わせているのかもしれない。
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久我山は住宅地なのにこれほどの種類の果実が実るとは。よく観察すると思わず驚くことがある。
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気がつけば久我山の象徴でもあるピーコックの前にあるユリノキの葉も半分黄色くなっていた。