映画「貞子DX」を観た。
作品としては全体的にチープでストーリーはグダグダだが、そんな中で主演の小芝風花がひとり気を吐いていた。
IQ200は必ずしも科学を盲信することにはならない。むしろIQ200という設定が本作品をつまらなくした原因のひとつだ。それに耳の横で手のひらを動かす謎のルーティンもあまり意味がない。自称占い師の若者が鼻をこする動きも同様。こういう無駄なシーンを入れるくらいなら、主人公文華の人となりがもっと分かるシーンを入れたほうがよかった。
食べるシーンで意味があったのは、喫茶店でピーマンがたくさん入ったナポリタンをピーマンを避けて食べるシーンだけだ。自称占い師が「どんだけメンタル強いんだよ」という台詞に、そういえばそうだなと感心した。
何かにぶつかりそうになったり、突然誰かが目の前に現れるたびにビビっている文華だが、貞子の呪いに関してはまったく動じない。ジタバタするのではなく、ひたすら考える。全編を通じて少しも怖くないが、主人公のメンタルの強さに感化されて、観ているこちらもメンタルが強くなりそうな作品である。
小芝風花はCMで見るだけで、何がいいのかちっともわからなかったが、本作品では声といい、キリッとした演技といい、彼女のポテンシャルが存分に発揮されているように思えた。作品に恵まれさえすれば、もっといい演技をしそうな予感がする。