映画「ファイブ・デビルズ」を観た。
あまりピンとこなかった。スリラーとしてもヒューマンドラマとしても今ひとつ。SFにしては科学的なアプローチがなく、ホラーというには怖さがない。
差別やいじめを扱ったシーンもあるが、物語と結びついていないから唐突感が否めない。作品のテーマが判然としないのだ。
夫婦と子供、昔の友人二人の計5人。それぞれに悪意があったという話で、そこにタイムトラベルが加わって現在と過去を行ったり来たりする。タイムトラベルは割とありがちで、目新しさはない。異常な嗅覚も宝の持ち腐れだ。
登場人物の掘り下げがないから、誰にも感情移入できないままに終わる。疑問がたくさん残るが、それほど追及したい気持ちにはならない。製作側の、細かいところは気にしないで押し切ろうというテキトーな姿勢が透けて見えるのだ。
スリラーとしてはテクニック不足で、ドラマにしては思い入れが不足している。そんな作品だった。