映画「離ればなれになっても」を観た。
1960年代に生まれた世代の3人の悪友たちの物語である。思春期を過ぎて、酒を飲み、煙草を吸い、ダンスホールで女の子をナンパする。湧き上がる性欲の衝動を抑えながら、生きていくためには金が必要だということを覚え、徐々に大人になっていく。
恋もすれば、別れもあった。破滅的な人間とも絡んで、逃げ出したこともある。成功があり、失意があった。それでも人生だ。恥じることは何もない。
紆余曲折、波瀾万丈の果て、3人は行きつけの居酒屋でしたたかに酒を飲む。そして言うのだ。「俺たちはみんなガキだ」と。ガキだが、鷹揚なガキだ。なにせ人を許すことができる。もともと悪意がある訳じゃない。許せなくてどうする。
大人になるのは悪いことじゃない。しかし何かを捨てなければならない。上手く捨てて自分を欺いた者が成功者になれる。しかしそんな人生はクソだ。俺たちはガキのままでいい。
イタリア人らしい、人生を肯定し謳歌する青春物語である。ジジイになっても、まだまだ青春なのだ。なにがなんでも、青春なのだ。