晴信が駆け出たのは五日の辰の刻であった
既に信州に入り志賀を駆け通った時には、志賀の城主笠原新三郎は上杉家に志を通じていたので、晴信が一騎駆にて志賀に至ったと聞き
「今、この時こそ天が我らに与えた晴信めを討ち取る絶好の機会なり」と勇み、思う間もなく城を駆けだした
笠原もまた鎧を肩にかけたまま飛び出すほどの急であったから、従う士は五十七騎であった。
晴信の馬術の妙は天才的であり、その速きことは誰もついてくることが出来ず
武田の精鋭と言えども、何とか晴信に追いすがって走る武者は近臣旗本の十二騎のみ
その中でも、晴信に馬を並べて疾走する達者は春日弾正ただ一騎のみである
この時、笠原が一党は馬を走らせて、晴信の横合いから突きかからんと近づいてくる
晴信は、これを見て「弾正、あれを追い払え」と命ずると「心得たり」と馬に鞭をあてて笠原勢十六騎に向けて一騎で向かった
やや遅れて駆け付けた小幡虎盛はこれを認めて「危うきや弾正」というが間もなく、弾正の方へ馬首を向けて走る
笠原が見つめるのは、ただただ武田晴信の姿のみ、一心不乱に晴信に迫りゆく
そこに近づき走る春日弾正さえも目に入らず、なおも駆けて行く
恐るべき猛虎が近づいていることも知らず
そして突然、弾正の槍が一閃、ようやく敵の迫ったを認めた笠原であったが、すでに遅く。弾正の槍先は笠原の左の肩を貫いて、たまらず「どっ」と落馬した。
すかさず弾正はとどめの一槍を突かんとしたところに、笠原の臣、笠原與一右衛門が駆け寄り、太刀をかざして討ちかけてきた
弾正は、笠原新三郎の留め槍の矛先を與一右衛門に向けて突きだせば、わずか一突きで倒し、それを投げつける間に笠原の家人たちが新三郎を救い出して後方に下がる
その入り乱れた中に小幡虎盛が突き入り、たちまち六・七人を切り倒した
その鬼神の如き虎盛の勢いに、笠原の兵士たちは四方八方に逃げ散った、そこへ遅れて駆け付けた武田の諸士が取り囲み、笠原勢の首三十ほど討ち取った。
また関係ない話で恐縮です。
今日の8回表のドジャースのチャンス。せめて、外野フライは欲しかったですね。今年の大谷はちょっと勝負弱いような。まあ、また変わると思いますが😃
ベッツがア・リーグトップの.545
スミスも4割近いし、フリーマンも3割をゆうに超えている
大谷だけが.176とは・・・目立って勝負弱い今シーズン・・呪縛ですね
乗り越えればガンガン行くでしょう。