庭にある花がグンと少なくなって、いよいよ「山里は冬ぞ寂しさ勝りけり・・・」の世界か・・・と、鬱々しくなる気分を一掃するかのように「千両」の実が色づいて来て、何かホッとする暖かさを醸し出している。
今年は(実際には昨年暮れからだったが・・・)我が家に様々な試練が下され、「これは神様の与えてくださった試練なのだ」と受け止めるには源である信仰心が全く無いのだから、唯々、「冷静で在れ」を心に、粛々と(心理的・物理的にもかなり辛い)日々を送って来た。
が、案件の一つであった不動産処分が、12月中旬になり急転直下的(まるで雪崩に巻き込まれるが如く)に解決に向かい始めた。
弁護士さんから提示されたこの解決案については、「すべて満足」という訳はいかなかったけれど、ともかく、「早く解決を見たい」を優先して遂行して貰った。
何回ともなく弁護士事務所を往復して書類に署名・捺印をし、最終的には、12月26日、東京所在の相手先会社にて売買完了となった。
この案件を弁護士さんに依頼したの4月中旬、8か月経過を持たざるを得なかったが、年内解決に至った事を感謝しようと思っている。
但し、数百万円という我が家にとっては膨大過ぎる授業料を費やしたことの事実は大きい・・・だが、立ち止まってはいられないのも事実であり、一歩づつでも、半歩づつでも、前に向かって歩み続けなけれなるまい。
それはともかく・・・
「年内解決」に拘った為に、四十数年前に勤務した銀行の年末風景を模擬体験したような気分になったのだ。
昭和40年代では、まだ、掛売りなどの未収入金や借入金返済などは年内に済ます・・・という暗黙の了解(?)のもとで社会が動いており、年末の銀行業務は、それらの最終集金を持って業務終了するのが通常であった。
我らぺいぺい行員も当然の如く、師走(月末)業務で、時間に追われながら、でも、年末特有の飛込み仕事をバタバタとこなし、帰宅は、正に「押し詰まりました!」の挨拶に相応しい夜になったものだった。
今回、銀行が営業している時間内で有効に動こうとするため、一連の予定に従った動き以上に、突発的事項に対処を必要とされたのだが、その忙しさが、私にとってはかなり快感だと心密やかに実感したのだ・・・そう、若い頃のようなエネルギーが湧いた来たようだった。
まだ私には若さが潜んでいる・・・と、内心自ぼれでほくそ笑んだのか、はたまた、こういう性格なので歳をとっても変わらない性分なのか・・・ま、どうでもいいけれどね。
未解決である我が家の試練については、表面的・物理的に解消できる問題ではないし、多分、生涯抱えて行かねばならない性質だと認識しているから、これまた、状況を見ながら、一歩づつ、歩んで行くしかないと覚悟している。
バタバタと襲ってきた試練を上手く処理した・・・なんて事にはなっていないものの、少なくても問題の核心部分は解決出来たつもりだ。
この解放感さえあれば、来年、また頑張って行けそう・・・そう思いながら年末を噛みしめている私である。