もう二十数年前になるか、懇意にしていた美容院の窓辺を飾っていたのを、その形があまりに可愛くて子を分けて貰った、多分、サボテンの一種だろうとの推測に基づいた上で、当地が如何に温暖な場所と雖も、明け方の戸外では5℃を下回る時があるので、毎年、縁側内に取り込んで寒さを避けている・・・今年も、サボテン類の避難を開始した。
一年ぐらい前だったか、ちょっとした解釈違いのすれ違い(どちらが良い悪いでなく、多分に性格の違いから)で疎遠になっていた知人から、ホンの季節のご挨拶程度の手紙を貰ったので、私からもホンのご挨拶の返信手紙を書き、最後に、「暖かくなったら会いましょう」と付け足した。
でも、その後コロナ感染症が広がり、とても知人宅に出向くという事にはならず(知人は病気の治療により免疫力が非常に弱まっている)、結果的には放置という状況だったのだ。
そして、11月に入って、再び、知人から電話が来た・・・我が家の近くに住む知人のお身内の安否を訊ねる電話だった。
高齢なご夫婦だけの家庭だが、最近、娘夫婦が近くに家を持ち、それなりに面倒を見ているようだから、こちらからは特に干渉はしていないと返答したら、知人は、それでも見に行って欲しいと言うが、「何かあれば知らせが来るだろうから、何の知らせも無いのは良い知らせと思って」と、まぁ、知人にしては突き放された・・・という感じだろうな。
それから1週間程して、その知人からゆうパックが届いたから開けてみると、どうやら、お孫さんに送るつもりの物が私に間違って届いたようなので、すぐ知人に電話を入れて、「構わなかったら、私から、直接、お孫さん宅に送るから」と話すと、宅配料金がどうの、借りを作りたくないから云々、郵便局が間違えたのだから、そこに配達間違いを正すよう手配する等と言うのだ。
で、「私の性格をあなたはよく知っているでしょ?今、この話している時間があれば、宅急便を出しに行けるし、宅配料金を貸しただの、借りただのって、ぐちゃぐちゃ言うのが嫌いな私も分かっているでしょう、私が出来る事だからやると言っているだけで、出来ない事はやってくれと頼まれてもしないから」と、またまた私は情け容赦もなく(知人はそう思っただろうな)言い放って、当然、その日の内に、宅急便をコンビニに持ち込んでこの問題は完了としたが、多分、知人は納得していないと思っている。
自分自身でも、時に発する言葉に優しさが無い!という自覚はある。
第一の理由としては、優柔不断でいるのが面倒で嫌い(最近は特に感じる)、第二は、自分が動く事で解決するなら、多少の経費は掛かってもその方が楽でお得だという考え方、第三には、優しい人間だと思われたくない、等々・・・要するに、面倒を解決するもまゝならずに、それを抱えたまゝ暮らすエネルギーが根本的に欠けているって事であり、暗に(否、明らかに)問題を避けたい(早く片づけたい)気持ちが優先している。
そこで、面倒が私に近づかないよう、感染防止ではないが、自ら、様々なバリアを張って予防対策をしている・・・のだと思う。
知人を、又しても傷つけた・・・としても、もう、私にはその解決を誘導出来る能力が無くなったんだと察して貰い大目に見て欲しいと、自分勝手に期待しているが、どうかなぁ?
宅配手配完了を電話で通知し、とりあえず「コロナが落ち着いたら会おうね」とだけ伝えた。