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「草花たちの静かな誓い」
宮本輝著 2016年集英社発行
久しぶりの輝さんの長編。
昔読んだ輝さんの「オレンジの壷」を彷彿とさせるような、謎を追って海を越える物語。
地に足のついた主人公がとても好感が持てるせいか、読んでいて独特な安心感があるのが不思議だ。
時に、物語の中の世界の心地良さに、読み終えたくなくなる本に出逢う。
納得のいかない部分も解せない部分もあれど、現れる登場人物たちが人情に溢れ、会ってみたいほどイイニンゲンなのだ。
現実に於いても本の中に於いても、やはり心根のきれいなニンゲンには引き寄せられるものなんだな。。。
わたしは読み終えちゃったけれど、あの本の世界の中ではきっと今もあの花々たちはうつくしく咲き誇り、夜風にそよそよとかわいらしく揺れているに違いない。