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「神様メール」 ジャコ ヴァン ドルマル監督 仏ベルギールクセンブルク △ ☆
ブリュッセルのアパートに住んでいる「神様」は意地悪なことばかり考え、パソコン操作で人間社会を翻弄しています。娘のエア(ピリ グロワーヌ)はそんな父親が許せずある行動に出ますが・・・。
エアの父親(ブノア ポールヴォールド)は神様ですが、タバコは吸う、ビールは飲む、妻は無視します。その上、娘をベルトでたたいてお仕置きをするとんでもない男です。エアは人間社会を救おうと余命を知らせるメールを送信してしまいます。混乱した社会を救うためエアは地上に出て小さなキセキを起こし、絶望した人々に生きがいを与えるのでした。
「愛に不器用でさみしい人生」だった人々が生きているうちに本当の自分に戻っていく姿をコミカルに、そして深い愛を持って描きました。特に世界を救ったのは神様から虐げられていた女神様だったというオチは最高です。
個人的には、女神様の趣味だった刺繍を使ったエンドロールは大変オシャレで素敵でした。映画の技術はさまざまに進歩していますが、ヨーロッパ文化の歴史の奥深さを感じさせる、ハリウッドでは決して制作されないタイプの作品です。カトリーヌ ドヌーヴとゴリラのラブシーンは映画史に残る迷場面です。(☆)
タバコは、ダメな神様のみ喫煙しました。薄汚い描写だったので(△)です。