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「クリーピー 偽りの隣人」 黒沢清監督 ◯
引っ越し先の不気味な隣人に犯罪の匂いを嗅いだ元刑事の犯罪心理学者夫婦が大きな事件に巻き込まれる恐怖を描きました。恐怖を描かせたら右に出るものがいない黒沢清監督の真骨頂です。久しぶりに楽しめました。
刑事時代に大きな失態をし、今は犯罪心理学者として大学で教鞭をとる高倉(西島秀俊)は妻康子(竹内結子)と愛犬マックスとともに一戸建ての家に引っ越してきました。挨拶にでかけたところどちらの隣人も奇妙な対応でした。ある時、職場の同僚が未解決事件の調査中、高倉の目がある事件に引き寄せられました。その6年前の一家失踪事件を刑事の野上(東出昌大)に詳細を調べてもらいます。一方、隣人の西野(香川照之)はマックスを通して妻の康子に近づいていました。西野の娘澪(藤野涼子)は高倉に「あの人父親ではありません。知らない人です。」と近づいてくるのでした。一体何が起きているのでしょうか。
黒沢監督得意の恐怖演出満載で音楽、光、風、落ち葉、古い建物などが「クリーピー(ぞっとする)度」をあげています。楽しい映画ではありませんが、誰もが持っている(かもしれない)恐ろしい人格を描いている作品です。
タバコは、なし。無煙です。さすがに国際的に活躍している監督ですね。