
「轢き逃げ 最高の最悪な日」 水谷豊監督 △ 東映
俳優の水谷豊のオリジナル脚本で監督としても2作目の長編映画です。
結婚式の打ち合わせに遅れている宗方(中山麻聖)は親友で当日の司会をする森田(石田法嗣)の勧めで裏道に入りますが女性をはねてしまいます。混乱した宗方は倒れている被害者をそのままに森田の言うままその場から逃げてしまいます。
その日から加害者の宗方と森田には奇妙な脅迫が届き、二人は罪の意識に苛まれます。一方、被害者の父親(水谷豊)は苦しみを酒で紛らわせる生活をしていましたが、警察から娘の携帯電話が見つからないという連絡を受けると娘の行動を知るために動き始めるのでした。そしてある意外な事実にたどり着くのですが・・・。
加害者の苦悩はドストエフスキーの「罪と罰」を彷彿とさせます。被害者の家族にとっては突然の出来事を受け入れるには心に重すぎる現実です。
重大な交通事故が繰り返されているタイミングで、映画の内容はともかく、水谷だけでなく母親役の檀ふみが事故の被害者の苦悩を演じていました。
タバコは、相変わらず「喫煙所」が情報交換の場になっているのが残念でした。(△)