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「ビッグ・リトル・ファーム 理想の暮らしのつくり方」 ジョン チェスター監督
25年間映像の仕事をしていた監督が、自身の妻と愛犬との農場作りの8年間をドキュメンタリー映画にしました。
保護犬のトッドを家族にしたものの、吠える声がうるさいとロサンゼルスのアパートを追い出されたジョンとモリーの夫妻は郊外の荒れ果てた土地へ移住し、オーガニックの食材を育てる農場作りに取り組みます。石のように固くなった土を作物が育つ土壌にしなければなりません。モリーは専門家であるアランを招聘し助言を受け家畜を飼ったりミミズを培養したりして持続可能な循環型の環境を作り上げるのでした。美しい果樹園やかわいい家畜たちはあるときはコヨーテに荒らされ害虫や病気に見舞われますが7年経てば落ち着くというアランの言葉を信じて運営していくのでした。
幾何学模様のように植えられた果樹園をドローンカメラで撮影したり、小さな昆虫やハチドリを至近で撮影したり流石に映像作家の腕の見せ所が満載です。資金面やスタッフの生活保障などがどうなっているのかは全く不明なので、その点はファンタジー映画ですが、荒れ地がみごとに瑞々しい農地になっていく姿は感動的です。果樹をだめにするカタツムリにお手上げだったのに、カモを放すとあっという間に次々食べてくれたり、ネクタリンをムクドリがつついてだめにしますがフクロウを飼うとムクドリは寄り付かなくなったりまさに自然界で普通に行われている共栄共存に適した数に落ち着いていくようすは少しでも農業に関わる人々には参考になるのではないでしょうか。
タバコは、なし。無煙でした。農薬のネオニコチノイドも当然なしです。