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「高野豆腐店の春」 三原光尋(みはら みつひろ)監督 ◯ ☆
広島県尾道を舞台に昔ながらの職人気質の豆腐店の父娘を主人公に地域の人々や新しい出会いを穏やかに描きました。タイトルに二つひねりがあります。
商店街のはずれにある豆腐店では今朝も早くから父辰雄(藤竜也)と娘の春(麻生久美子)が豆腐作りに励んでいます。二人が作る豆腐はスーパーでも人気商品で、東京のアンテナショップへの声も上がるほどです。商店街の仲間たち(徳井優、山田雅人ら)が気にしているのは春の再婚で、あれこれ相手を探します。一方辰雄は心臓に持病があり通院中ふみえ(中村久美)と出会います。
春の再婚相手を巡るドタバタが素直に笑えます。大豆の銘柄がいくつか紹介され農家にも嬉しい作品です。(☆)それだけでなく春が離婚した原因やふみえの病気の影には被爆という重い現実が潜んでいてさりげなく社会性のあるドラマです。遺産目当てのトンデモ男に対してかつての藤竜也の面影がちょっと見られるのもおまけのご愛嬌でしょうか。
タバコは、なし。無煙です。最近いい親父役が板についた藤さんですがたまにはビシッと決めた悪役も見たいものです。もちろんタバコなしでね。