無煙映画を探せ  

映画のタバコシーンをチェック。FCTC(タバコ規制枠組条約)の遵守を求め、映画界のよりよい発展を願うものです。

小さき声のカノン ―選択する人々

2015-05-14 | 2015以前の映画評


「小さき声のカノン ―選択する人々」 鎌仲ひとみ監督 ◯

 福一(福島第一原発)の事故以前から「ヒバクシャ」「六ケ所村ラプソディ」「ミツバチの羽音と地球の回転」などで原発や核をめぐるドキュメンタリーを発表していた監督が福島の事故後の母親たちとベラルーシでの取り組みをドキュメントしました。
 福一の事故後、福島や周辺の放射能で汚染された東京を含む各地に住む母親たちは子供をいかに被曝から守ったらいいのか悩んでいます。避難したくてもできない事情もあり、避難したことで苦しむこともあり、まさに「選択」を迫られているのです。旧ソ連時代のチェルノブイリ原発事故後日本の医療班が現在のベラルーシで行ってきた健康調査とその後の取り組みを紹介し、まさに「カノン」(同じ旋律を繰り返す音楽技法)のように福島で実行しなければならないと考えさせられます。ベラルーシの担当者が「日本人が検査方法を考えだしたのに・・・(日本で同じようにやればいいのでは)」と言ったひとことが、それができない現実を浮き彫りにしました。他所の国なら出来るのですが自分の国では本当のことは言えないのです。はっきり言って「棄民」なのですから。
 原発再稼働を支持する人々にはぜひ見ていただきたい作品です。
 タバコはなし。無煙です。タバコを吸って放射性物質(ポロニウム210)を撒き散らかしながら「原発反対」を叫ぶ人は登場しませんでした。


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パパ、遺伝子組み換えってなあに?

2015-05-14 | 2015以前の映画評


「パパ、遺伝子組み換えってなあに?」 ジェレミー セイファート監督 ◯ 米ハイチノルウェー

 ハイチでの大地震後にモンサント社が寄付した種を貧しい農民たちが燃やした事件がきっかけとなって監督自身が遺伝子組換え食品について様々な人々にインタビューをしてまわり、疑問に対しての答えを探すドキュメンタリーです。
 3人の子供の父親となり、家族が特に子どもたちが食べる食品に対し興味をもった監督は、遺伝子組み換え食品がどのくらい拡散しているのかを調査するうちに、アメリカでは表示がなされていないことに対し、EUでは表示義務があることや、主要作物の9割以上が遺伝子組み換えであることに驚きます。一方長男のフィンは種が大好きでコレクションをしています。農薬によって消毒された青やピンクの毒々しい色のモンサント社の高額の種は生物とはいえずまるでターミネーターのようです。
 遺伝子組み換え作物に反対するのは個人レベルでも簡単にできることを紹介し映画は終盤となります。わたしたちひとりひとりが毎日口にする食べ物は気をつけて選ぶことが必要なことだと思わされました。アニメーション映像を取り入れて誰にでもわかりやすく演出されています。パンフレットも大変参考になりました。
 タバコはなし。無煙です。大企業が議会や国民に対して行っているロビー活動や広告の手法はタバコ会社と全く同じなのでその辺りも大変勉強になりました。
 

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