無煙映画を探せ  

映画のタバコシーンをチェック。FCTC(タバコ規制枠組条約)の遵守を求め、映画界のよりよい発展を願うものです。

百日紅

2015-05-30 | 2015以前の映画評


「百日紅」 原恵一監督 △

 江戸風俗研究家で漫画家の杉浦日向子原作の長編アニメーション映画です。
 江戸の街を舞台に葛飾北斎の娘で浮世絵師のお栄(声=杏)は23歳、今日も父親や弟子たちと絵を書いています。気になるのは生まれつき目が見えない別居している妹のこと。琵琶の師匠に師事していますが、病弱なため父親は会おうとしません。目が見えないことも病弱なのも自分のせいだと父親は思っているのです。お栄は妹の好きな両国橋の上で季節ごとに人々の日常の音を聞かせるのでした。
 江戸の風俗が再現され、活気溢れる様子は現代風のポップな音楽がバックに流れ勢いを与えています。当時としては珍しかったかもしれない自立した女性が風情豊かに描かれています。北斎の人生は最後まではっきりしていますが、女性浮世絵師だったお栄の最後は歴史には残されていないようです。男が残す歴史だからでしょうか。
 タバコは、冒頭でお栄が口にしていたキセルから吸い殻が飛び北斎の完成間近の絵を焼いてしまう場面があります。(△)浮世絵師が仕事場で喫煙するのはまずいですね。その他吉原の花魁などがキセルを持っていました。ちなみに北斎は酒もタバコも好まず90歳まで長生きをしたそうです。


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六月燈の三姉妹

2015-05-30 | 2015以前の映画評


「六月燈の三姉妹」 佐々部清監督 ☓☓

 鹿児島市内の商店街で和菓子屋を営む「とら屋」の三姉妹を神社の祭り六月燈を舞台に描きました。
 とら屋の次女奈美江(吹石一恵)は東京の夫の元から帰ってきていました。長女静江(吉田羊)はすでに離婚して実家に戻っていて和菓子屋を手伝い、三女栄(徳永えり)はさつま揚げの店で働いていましたが実は不倫をしていました。両親は、一緒に和菓子屋を営んではいるもののすでに離婚していて戸籍上は他人なのでした。姉妹も父親が違ったり、一緒に住んでいる時期が少なかったりと家族とはいえそれぞれ複雑な事情があることが、次女を追って東京から鹿児島に来た夫との会話などから明らかになってきます。とりあえず今夜はお祭りでとら屋も新商品を売るための準備に追われるのでした。
 商店街の生き残り、親との同居、店の後継者問題など、鹿児島のこの一家に限らない問題を散りばめていますが、効果的に使われる鹿児島弁のおかげかコメディタッチで描かれています。
 タバコは、吹石が追ってきた夫と会話をするときにタバコを口にし、「また吸い始めたのか?」「悪い?」「いや・・・。」という会話がありました。はっきり「やめろよ。」と言ってほしいものです。言えない優柔不断さがこの夫の欠点なのかもしれませんが。その後も2回ほど口にしました。(☓☓)お祭や町内会の集まりでは喫煙場面が殆どありませんでした。タバコの自販機はちょっと映りました。


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レッド・ファミリー

2015-05-30 | 2015以前の映画評


「レッド・ファミリー」 イ・ジュヒョン監督 ☓!

 2013年東京映画祭で観客賞を受賞した作品です。脚本制作はキム ギドクです。
 仲睦まじい家族のふりをして任務を遂行する北朝鮮のスパイたちに対し、隣家の一家は喧嘩が絶えず「資本主義の限界」と北一家からは評されていました。しかし、喧嘩が絶えないとはいえ、言いたいことを言い合える家族の姿にいつしか北一家のメンバーも自分たちの決して穏やかでない任務や常に見張られている不自然な生活に疑問を感じるのでした。
 ラストでは隣の一家を皆殺しにせよ、という命令がくだされた時北一家のメンバーは衝撃の行動に出るのでした。
 近くて遠いといわれる朝鮮半島ですが、まさに、韓国の人々にとっても北朝鮮ははるかに遠い存在で、北朝鮮の人々にとっては韓国の人々は明らかな敵という、離れたところからではなかなか想像できない関係を映画にしたそれも娯楽映画にした監督らの取り組みは称賛に値する内容です。同じ民族が敵対するという悲劇がいつまで続くのか考えさせられる秀作です。
 タバコは、「資本主義の限界」一家の父親が外で喫煙し(☓)、息子は高校生なのに隠れてタバコを吸おうとしてベランダに出て、隣家に不審者が忍びこむのを目撃するという場面がありました。また、その後の場面では北一家の女子高生に「タバコ吸う人嫌い」というセリフがありました。(!)


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