![]() | 福島原発でいま起きている本当のこと~元・現場技術者がすべてを語った! |
クリエーター情報なし | |
宝島社 |
書籍のタイトルは「本当のこと」となっているが、「推測の多い」本である。書店で平積みになっていて、93ページという薄い本、500円と安いため買ってみた。宝島社という会社、暴露本が得意なんだろうか、原発の元現場技術者が書いたまさに暴露本である。
私も同じエネルギー業界の現場にいたので、この本に出てくる単語がいくらか理解できる。ベント不成功の原因はおそらくバルブが錆びついていたんだろうとか、格納容器は大ハンマーで蓋を叩いて調整するとか、2時間の教育で素人が現場で働けるとか、線量をあえて測らないで作業をすることがあるとか、東電社員は作業現場では高みの見物するとか、何となく雰囲気が伝わってくる。
結局のところ、福島原発は、中がどうなっているかいまだにわからない。お手上げなんだろうか。対策は水をかけて冷やして、汚染水を浄化することくらい。本質的には3・11以後現場は変わっていない。
著者の提案は、現場感のある案がもっと上がるべき、下から意見を上げる文化がまるで育っていないそうだ。原子力村を解体して、外部から集める体制が必要だとのこと。安全管理や人事労務管理など、福島は感ずることが多い・・。早く収束してほしいものだ。