このコーナーは、来年出版される予定の資格本の原稿の一部ををアップしていきます。出版予定の資格本は、年代別(ex20歳代・・)に有用な資格とその活用方法を解説していくものです。第1回は30歳代のファイナンシャルプランナーです。
(1)資格の活用法
30歳代も後半になってくると、人生後半に差しかかってきます。この頃は仕事もそれなりの責任のある地位につき始め、家庭では子育てに忙しい時期です。そして子育て後の老後のことも少しは意識し始める頃です。この時に備えて大事なのは、人生の後半は、老後を含めて、いくらかかるのか、また、これからいくら稼がないといけないのか、というマクロな見通しです。
この時効果を発揮するのが、マネープランを管理するファイナンシャル・プランナーです。もともとこのファイナンシャル・プランナーは、顧客の注文に応じて、顧客のマネープランを作る資格なのですが、それより前、自分のマネープランを作るべきでしょう。
この資格の取得方法はいくつかルートがありますが、私の場合、通信教育を受けて受験資格を取得しました。この時、架空の人物のマネープランの提案書を作成しましたが、これが後々大変役に立ちました。
FPの学習は、学科試験と実技試験があります。学科は、金融商品や、外国為替の運用、投資リスクを軽減するコツ、保険の見直し、遺産分割や相続の手続き、それに所得税や住民税、確定申告など、当時の私は知らないことばかりでしたので、これ以降の生活にずいぶん役に立ちました。そして提案書を書きます。ホンモノは二十数頁もありますので、その概略をお話しします。
(2) 自身のファイナンシャルプランの作成
次頁のように老後のイベントを反映したファイナンシャルプランが作成できました。対策前は38年後の85歳で預金が尽きましたが、いくつか対策を打つと、数百万円確保できました。(図表は省略)
データはExcelのため、金利の変更時や公的年金制度が変わった時等の際には、簡単に見直しの再シミュレーションができます。事実、私もこの提案書にならってファイナンシャルプランを作っていて、節目、節目に見直しをしています。なお、次頁のシミュレーションは、物価水準や金利など、当時のものを使っていますので、参考までとして下さい。
(3) FPとはどんな資格か
ファイナンシャル・プランナーとはどんな資格でしょうか? 日本FP協会の定義によると、「顧客である個人や中小企業の相談に応じて、顧客の資産に関する情報を収集・分析し、顧客のライフプランやニーズに合わせた貯蓄、投資、保険、税務、不動産、相続・事業承継等についてのプランを立案し、アドバイスを行う、資産相談に関する専門家をいう。」となります。難しいですね。
ファイナンシャル・プランナーになるには、日本FP協会では、AFPを受験することになります。この資格の上位にはCFPという資格もあります。また同じ試験を受験して、金融財政事情研究会のFP技能士になることもできます。詳細は、日本FP協会又金融財政事情研究会のホームページをご覧ください。
また、試験科目は、学科では、ライフプランニング、リスク管理、金融資産運用、タックスプランニング、不動産、相続・事業承継です。実技では、AFPは、資産設計提案業務、2級技能士は、個人、中小事業主、生保、損保から選択。 となります。
受験資格も通信研修を受講する場合や、いきなり資格試験を受験する方法等がありますので、上記のホームページでお調べ下さい。
最後に、FPを取得するメリットをもう一度書きます。第一に前述のように、何と言っても「ご自身のファイナンシャルプラン」を作成できるようになるということです。この資格は年を取るにつれて有用になってきます。定年を迎えて、退職金の運用等にも極めて有効です。デフレになって利子率が変わったり、年金が減額されるかもしれない等のニュースを聞き、再シミュレーションが簡単にできます。安心ですね。