【数量限定】経済で読み解く日本史 文庫版5巻セット | |
上念 司 | |
飛鳥新社 |
経済で読み解く日本史、第2巻に入る。織田信長、豊臣秀吉の時代だ。最後の結びに代えてにポイントが書かれている。秀吉は天下を統一した。ここまでは成功、そして明へ遠征しようとした、これが最大の失敗。陸上戦という戦国時代の戦い方の勝ちパターンにこだわった。冷静に見れば、ポルトガルやスぺインが、はるばる欧州から日本に来ている、海軍のことなぜ考えなかったのか。陸上で戦いながら、北京まで本当に行くつもりだったのだろうか。海上ならすぐなんだが。
そして著者は、太平洋戦争と酷似しているという。米国という敵の情報が圧倒的に不足していたが、それも調べない。手持ちの情報とだけで、不足する情報は無視、やれるだけのことはやるが、結果はわからん。過去の勝ちパターンだけで、戦おうとする。朝鮮出兵と同じだと。
秀吉の時代は、戦国時代の陸上戦をそのまま続けた。確かに豊臣軍は、陸上戦は強かったが、北京まで兵たんは続くまい。太平洋戦争も同じだ。南太平洋全体に戦場を拡大して、どうするつもりだったんだろう。あんなに広大な中国に入り込んで、どこまで追っかける気だったんだろう。
企業経営では、新たな展開を考える際は、通常SWOT分析という手法を使って分析する。外部環境については、機会Oと脅威Tを調べ、自社の経営資源については強みSと弱みWを調べ、中小企業ならいかに強みSを機会Oに適応させるか、を考えるのである。もちろん脅威Tが感じられればそこを避け、弱みWがある場合は、提携などして補強を考える。冷静に考えるのは、「損得勘定」だと、著者は言う。私が言い換えるとすれば、経済原理性かな。
この書籍、まだまだ続きます。次は江戸時代。生産性が向上してきて、改革を何度も行う。現代に段々に似て来るぞ。