労働安全のある講座の更新の時期が来た。その講座のパワーポイントの更新作業を行っている。その中の「転倒防止対策」の一つで、「ポケットに手を入れて歩かない」というのがあった。私も若い頃、先輩から言われたものだ。この対策、守るのも破るものどっちも簡単だ。そして作業服を着ている人より事務職の方が破りやすい傾向にある。作業服は軍手をするが、事務職は冬場などは寒いから、ついポケットに手を入れてしまうようだ。
私の安全管理の講座は、章ごとの最後に確認テストを入れている、理解度を確認するため簡単なYES,NOの問題を出すのだ。ようし、これを問題に入れよう。対策が簡単だが、これが職場全体に伝わっているかも兼ねてだ。
話は変わる。おととい書いたことだ。御嶽山のビジターセンターに行った時のことだ。私たちは、センター前のベンチで休憩していた。するとお爺さんが、ポケットに手を突っ込んで、登ってきた。何かの書類を持って。そしてその書類をセンターの係員に指示していた。係員は恐縮しているようだった。終わって、そのお爺さん、ポケットに手を突っ込んだまま、階段を下って行った。足元がおぼつかないようだった。私は危険だな、とは思ったが黙っていた。
この危険だな、とフェイスブックに書いたら、知人がコメントを入れてくれた。「全くその通り、ある工場では、作業服のズボンのポケットを縫い付けてしまったようです」と。これもまたすごい対策だ。
「ポケットに手を入れて歩かない」、この転倒防止対策、今も、どこの職場でもキチンと伝わっているだろうか。聞いたことない、なんて職場あるんじゃなかろうか。