kanekoの陸上日記

毎日更新予定の陸上日記です。陸上競技の指導で感じたことやkanekoが考えていることなどをひたすら書きます。

どう戦うか?

2008-10-13 | 陸上競技
新人が終わり、学校に戻って少しだけミーティングをしました。各自が感じたことを口にしてチームメイトに理解させる作業です。まだまだ上手く話ができない選手が多い。自分の感情を素直に伝えるということができない。この辺りの成長も期待したいと思います。

今回の中国新人を終えて感じたこと。選手には「力の差」を感じるように最初から話していました。「今」の力では戦える可能性は非常に低いですからね。大きな「差」を感じて各自がどう思うか?ほとんどの選手が「冬期に向けて」の話をしていました。「今」のままでは戦えないのが自分達でも分かったはずです。それは間違いではありません。1人だけ「全く戦えないわけではない」と話しました。大きな事です。実は私もそう感じました。トップの3つには太刀打ちできないが、上手く力を付ければなんとか戦えるのではないかと感じました。これも「また馬鹿なことを」と言われるかもしれませんが、「絶対に届かない」ものではないと。他校は絶対的なエースを抱えていてそれを有効に使って勝負します。うちは絶対的なエースがいませんでしたが、力を発揮することはできました。大きな意味を持ちます。

希望的な観測だけでなく、今回のレースの反省もしなければいけないと考えていました。今回のマイルのレースは「1走で離されたこと」でほとんどの流れは決まりました。責任追及するというのではなくきちんと分析する必要があります。選手の前でも話をしました。本人も自覚していますが60秒ラップで走っても少し置いて行かれるレベルです。1走が63秒7かかると2走以下が流れに乗れません。バトンの受け渡しだけで計っているのではなく400m通過時点のラップなので、実際の走力が分かります。最近の調子からいって62秒台では来れたのではないかと思います。

本人にとっては辛い宣告だったかもしれませんが、自分自身分かっていたはずです。個人で話をするときにもそれを話していました。理解はしているはずです。自分が力を高めないと勝負はできないということに。スポーツコーチングの本にはよく「責任が誰にあるか?」をコーチが追求してはいけないという書き方がしてあります。本人の気持ちを考えたら当然ですね。なぜ、その話をしたか?きちんと理由があります。それは「全員がキャプテンに頼りすぎる」からです。キャプテンとしてみんなをまとめていこう、引っ張っていこうという意識が強いので全てにおいて気を遣って行動します。本当ならもっともっと自分の動きや感覚に目を向けて集中しなければいけない部分を、周りに力を分けているのです。それにみんなが頼ってしまって「自主的な行動」ができなくなっています。だから力が発揮できない部分が出てくるのです。
チームとして本当に成長しようとするならば、キャプテンに頼るのではなく自分達の考えで行動していく必要があります。特に1年生はまだまだ行動に甘さが目立ちます。それをフォローするキャプテンに大きな負担をかけていることをチーム全体が理解しなければいけません。そのためにみんなの前で「1走の遅れが原因」だと話しました。

昨年の冬期練習中に2年生2人には話をしました。shimaには「雰囲気を作ることでチームを引っ張る」、misatoには「力で引っ張る」という内容です。それぞれが意識をして役割を果たすようになりました。その役割を果たすことでチームは力をつけます。

県外に行ってもshimaは全体をよくコントロールしていますし、直前練習でも率先して声を出してチームをまとめています。普通の「仲良し運動部」だったら相手に嫌われるのではないかなんて気にかけることでも、ガンガン言います。それが必要だと分かっているから。だからこそこういう場面で頼りすぎると負担がでかくなり、自らのパフォーマンスに集中できなくなるのです。もっともっと全体がキャプテンをフォローすべきです。遠慮して付いていくだけなので全体のレベルを引き上げることはできません。うちのチームが戦うためにはこの部分の成長が間違いなくポイントになると思います。キャプテンが話を聞いて涙を流していました。責任感が強い子ですから、「自分のせいで決勝にいけなかった」と自分を責めていた事だと思います。その気持ちを全員がきちんと理解しなければいけません。負担を分担すれば必ず力が出せるようになります。自分がやらなければいけないという気持ちが強いから、総体前にやりすぎて体調を大きく崩した。適当に考える者であれば絶対にそこまではやりません。その姿をみて下級生が何を思うのか?ここに鍵があります。

misatoには「チーム内で誰にも負けないこと」を言い続けていました。そういう存在がいなければチーム自体は強くなりません。人間的な成長も大きいですが、「誰にも負けない」という気持ちを出せるようになることでもっともっと強いチームになります。そんな存在がチームには必要だと思っています。何度も故障を繰り返してきました。冬期練習では体調を崩し1ヶ月近く練習ができない。やっと動き始めたと思えば肋骨の疲労骨折らしき痛みでまたも1ヶ月走れない。中国大会で60秒ラップで走りさあこれからだというときに、腓骨の疲労骨折。またも1ヶ月走れない。地区新人後から練習を再開し、県新人では微妙な走り。本人も悔しかったと思います。その悔しさを生かして、今回のマイルで初めて60秒を切って59秒2のラップ。やっと「エース」と言える存在に育ってきました。全員がmisatoに勝つことだけを考えて練習に臨めばいい。そうすることで確実に力が上がります。

昨年の冬に今の2年生には「冬の間に上級生に勝て」と話してきました。同時に上級生には「下級生には絶対に負けるな」とも。お互いが意識することで必ず強くなると思ったからです。残念なことに冬期の途中から力関係が逆転してしまい、上級生の中に「下級生は速くなった。勝てなくても仕方ない」という部分が生まれてshimaしました。そこで伸びが止まってしまった感があります。私がもっともっとフォローしていけばモチベーションを維持できたかもしれませんが、足りない部分があったと思います。

そんな話も全体の前で話しました。それを各自がどう感じるか?個人種目で中国に出場して複数が準決勝に進む。最低でもそのレベルが必要です。そこから1人でも決勝に進む者が出てくる・・・。そうならなければ「マイルでインターハイ」は不可能です。決勝に残るのは4分切りが必要です。しかし、6番以内に入ろうと思ったら最低でも県記録を更新する力がなければいけません。普通にやっていたら絶対に届かないレベルの話です。それでも「決勝に残りたいのか?」それとも「インターハイに行きたいのか?」と問いました。夢のような話だと思います。それでも顧問がそのつもりでやらなければ、選手の「心」も育ちません。私の気持ちだけが先走りしないように、選手に問いかけながらやっていきます。遠い遠い「夢」です。それでもチャレンジするだけの価値はあります。

「今」しかできないことにどれだけ全力で取り組めるか?少しでも「可能性」があるのならそれに向けてどれだけの努力をすることができるか?各自の意識次第です。ube高が2年前に中国新人で4分03秒3で7位。そのときのレベルに比べるとまだ可能性はあります。うちは2年生が2人1年生が4人のチームです。全体的にまだまだ伸びる要素はたくさんあります。これまで託されてきた「想い」をどれだけ感じることができる?全員が理解して取り組むことができればなんとかなる気がします。本気になれる者がどれだけいるのか。そこが大切です。

多くの方の力を借りながら、「夢」に向かってチャレンジしていきたいと思います。手の届く「目標」に変えることができるか?周りから「無理だよ」と言われても、自分達が「できる」と思って取り組むことが大事だと思います。「想い」が強ければ可能性も生まれる。

戦えるチームにしていきたいですね。
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中国新人 ~400mHでの葛藤~

2008-10-13 | 陸上競技
マイルの1時間後に女子の400mHの予選が実施されました。こちらにも2名参加できました。他県では同一校から2人参加するということがなかったので非常に名誉なことです。

うちの選手は1組目、最後の直線で3番手に追いついたのですが8台目を完全に引っかけてしまいバランスを崩しこけかける。それから何とか立ち直って10台目で追いつきほんの少し逆転するが最後の40mで走り負け0.1秒差で4位。2組目は1組目よりもレベルが高く前半からついて行けませんでした。8レーンだったこともあり、力の差を見せつけられました。今の力では全く歯が立ちません。持ちタイムが65秒台でなければレースに参加することができないのです。

予選終了後、プラスにかかるタイムが69秒43であることが発表。うちの2組目を走った選手が引っかかりました。逆に1組目を走った選手は69秒45で9番目のタイム。決勝進出へのプラス争いを同一校ですることになりました。本人達の気持ちを考えるとかなり複雑だったと思います。残れなかった方、残った方それぞれが「想う」ことがあったはずです。大きな差ではなく0.02秒。本当に少しの差ですから・・・。1組目の選手が他校の選手に競り勝っていたら、2組目の選手が決勝には残れなかったと思います。どちらにしても「力不足」だと感じました。プラスを狙っていく状況では必ずこういう状態が生まれます。もっと力をつけて本当の勝負に参加できるようにしていかなければいけません。

お互いの気持ちを考えると非常に苦しかったと思います。それでも2年生には「きちんと1年生のフォローをしてあげること」という話をしました。辛いとは思いますが、こういうときに上級生が動かなければ下級生は気持ちの整理がつきません。こういう経験を積んで成長していくのだと思います。2年生が流し続けた涙、無駄にはできません。全てにおいてもう少し届かないという事に対して、きちんと「原因」を探っていく必要があります。「悔しい」だけで終わることはできません。正直、あまりにもダメージが大きいので「走りたくない」と思うのではないかと感じました。それでもここから逃げてはいけないと思います。本気でやっているから「辛い」想いもする。涙を流すこともある。だからこそ「強く」ならないといけないのです。涙を流し続けて終わる訳にはいきません。きちんと前を向いてやるべき事を考えるべきです。逃げてはいけない。苦しいと思いますが逃げてはいけないのです。

決勝は1レーン。最初から置いて行かれてレースには参加できませんでした。課題は前半の入りだと思います。山口県から出場した3人の選手、確実にスピードが足りません。その差が前半の差に表れています。余裕を持ってスピードを上げていく事ができないので、前半に大きな差がつきます。この時点でほぼ勝負あり。うちの選手は最後まで粘って7位に入りましたが、本人も納得はできなかったと思います。それでも1年生で決勝の舞台を経験できたのは非常に大きい。今回のレースでは1・2位が1年生です。まだまだ先は長いです。

今回の400mH、レース全体がバックストレートの向かい風に苦労するという感じを受けました。ほとんどの選手が歩数の切り替え(逆脚)ができないので、一気に2歩増やす状態でラストの減速が著しい。歩数を増やすことでかなりのエネルギーを使います。ここが上手くいかないのでラストの直線はジョグレベルに落ちる選手が多く見受けられました。戦略的なモノがもう少し必要だと思います。逆に言うと、ここに大きな差が生まれる可能性があります。スピードの差があるので前半で差が付いてしまいますが、ここをなんとかしていけば後半の勝負に持って行ける気がします。持ちタイム65秒台の選手が67秒前後でしか走れない状況というのはやはり前半の風の影響があると思います。男子よりも女子の400mHの方が影響が大きい。もう少し上手く処理していけば可能性があると思います。

このレースで経験したことをきちんと自分達の中で処理して欲しいですね。まだまだ足りないモノがたくさんあります。それをどうやって補っていくか。根本的な「差」をどうやって埋めていくか?まだまだ課題は山のようにあります。なんとか勝負できるレベルに引き上げていきたいですね。

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