kanekoの陸上日記

毎日更新予定の陸上日記です。陸上競技の指導で感じたことやkanekoが考えていることなどをひたすら書きます。

県総体~女子短距離の活躍~

2014-06-04 | 陸上競技
県総体、女子の短距離がうちのメインでした。昨年から注目されてきて一冬超えて迎えた県総体。春先は大きなエースが不調。練習は順調に消化できたので問題はないと思っていたのですが本人は不安でたまらなかったはずです。小さなエースは大会の時の集中力は抜群。安定して結果を出せていました。この二人を中心にチームを作ってきました。この二人が活躍することがチームの士気を上げてくれます。自分たちのことだけではなく「チームの顔」だと感じています。

4継が終わってからの100m。「中国に進む」というだけを目標にしているわけではありませんでした。この大会の目標は短距離種目の完全制覇です。もちろん簡単なことではありません。100m・200mでワンツーフィニッシュができると思っていました。それくらいの力は間違いなくある。本当に強くなってくれていると思います。自分たちの力を出し切れるか?この二人に関してはこちらは心配することはありません。この舞台では本人たちが自分のためにしっかりと走ってくれるのではないかと。

小さなエース、個人種目に対する目標記録がここ数週間(もっと前から?)日誌に記載されていませんでした。書いてあるのは4継の記録だけ。この段階からリレーに対する思い入れの強さと個人種目への想いがあまりないのではないかと感じていました。話をすると案の定(笑)。そういう選手です(笑)。逆に大きなエースは個人種目でしっかりと記録を出したい。この部分が両エースの一番の違いだと思っています。極端に違う。小さなエース、「個人はいいです」という感じで話していました。「実際にレースになったら負けたくないから集中しますけどね(笑)」と。この子が個人に対して貪欲になったらどんなことになるのか??

良い例が準決勝です。小さなエースは100m準決勝、12秒32で走りました。レース終了後、「せんせー、私のベストって何秒ですか??」と聞いてきました(笑)。これまでのベストは12秒35。このレースでベスト更新しています。「後半余裕があったからもう少し行けるかな」くらいの感覚。特に喜ぶわけでもなく個人に関しては淡々としています。逆に大きなエースは準決勝追い風参考で12秒15。同タイムならがら2着でした。その後、「先生、11秒台出ますか??」としきりに聞いてきます。本人は県総体で11秒台が目標。記録を出したいのです。この二人の性格の違い、非常に面白いと思います。個人の記録へのこだわりの「差」が大きい。小さなエースはリレーでインターハイに行きたい。大木ナースは個人でも行きたい。欲の差なのか性格の差なのか分かりませんが。

決勝のレース、小さなエースはまずまずのスタート。最高のスタートとまではいかなかったと思いますがかなり良いスタート。逆に大きなエースは出遅れました。もう一人強い選手がいてその子もスタートを得意としています。その分「遅れる」という感じになってしまうのでしょう。他校の選手が抜群のスタートだったので小さなエースも少し遅れています。そこから後半にかけてかなり追い上げる。さらに大きなエースはぐんぐん加速に乗ってスピードを上げる。見ている側はこれほど興奮するレース展開はありません。3人がほぼ同時にフィニッシュ。大きなエースが12秒13で優勝。昨年に続き2連覇です。2番目に他校の選手が入り12秒15、小さなエースが3着で12秒19。追い風参考になりましたがかなりハイレベルな決勝だったと思います。3番目で19ですから・・・。12秒1台で走れば少し前の中国では優勝していました。そのレベルのレースが県総体の決勝で行われるとは・・・。まだまだ記録は伸ばせると思いますから2人が11秒台に入れる可能性も十分あります。ハイレベルです。

200m、これは風の条件に恵まれません。100mの時は追い風。この日は強い向かい風。風速計では計れませんがいわゆる「200風」と言われる風の真反対。斜めに向い風が吹き込む状況。記録というよりは「勝負」という感じでしょうか。予選準決勝と走りを見ていてうちの2人の勝負になるなという感じでした。他の選手と比べると力が抜けている感じがありました。実際のレースもこの二人を中心。直線に入ってほぼ同じくらいの位置にいます。途中大きなエースが少し前に出ましたがまた小さなエースが追い込む。素晴らしいレースでした。結果は大きなエースが25秒80、小さなエースが25秒86。ワンツーフィニッシュでした。県総体で念願の上位独占。中学校時のことを考えると本当に素晴らしいことだと思います。

2人とも中学時代の100mの記録を1秒近く短縮しています。小さなエースの高校時代の目標は「12秒台を出すこと」でした(笑)。ここ最近は記録へのこだわりがほとんどなくなっていてリレー中心。大きなエースは1年生の時に12秒台に入り県総体2連覇、3冠です。この2人の指導ができるということを心から幸せに思います。人生の中でこのような素晴らしい選手に会うことができるのか?それも2人同時に。奇跡的なことです。たまたまうちの学校を選んでくれて私が顧問をしていた。中学時代の記録を大きく伸ばしてくれる。それだけではなく人間的な成長もかなりしてくれています。全く別人と言っていいほど周りが見えるようになりましたし、私が気づかない部分に気を配って他の選手に指示を出してくれている。こんな成長を目の当たりにできるという幸せ。私の力でここまできたとは一切思っていません。全てこの二人の人間的な成長からの結果です。

このblogをどれだけの人が見てくださっているか分かりません。どのような方が見ているかも。興味を持ってみてくださる方々にお願いがあります。この2人の活躍と成長を温かく見守ってください。そして、応援してください。私自身この子たちのためにできるのはそれくらいしかないと思っています。本人たちにも話をしていますがこの子たちと出会えて、その指導に携わることができて本当に幸せだと思います。本人はもちろん、保護者、中学時代の顧問の先生、関わってくださったすべての方々に感謝したいと思います。この子たちとの出会いが私の競技に対する指導観を大きく変えてくれました。大きな転機だと思います。本当に素晴らしい2人です。この2人を中心にチームは明るく前向きなチームになりました。

この2人と一緒に競技をしたい。1秒でも長く一緒に競技をさせてほしい。それが今の私の一番の想いです。そのためにはやはりインターハイに4継で進む必要があります。変に気負うつもりはありません。通常通りやっていきます。応援してください。この子たちの走りを見てください。最高の舞台に立たせてあげたい。高校生の最高の舞台はやはりインターハイです。その舞台でこの二人が走る姿を見たい。強くそう思います。

皆さんの応援を力に変えたい。良いチームになりました。応援していただけるチームです。焦らず気負わずやっていきたいと思います。応援してください。
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