kanekoの陸上日記

毎日更新予定の陸上日記です。陸上競技の指導で感じたことやkanekoが考えていることなどをひたすら書きます。

県総体~次に向けて2年生へ話す~

2014-06-05 | 陸上競技
県総体を終えて学校に戻り話をしました。ある程度話しをして3年生を帰らせました。この子達にこれ以上何も求めることはありません。中国大会でこれ以上速く走ることを求めることはありません。最期はこの子達は自分で最高の走りをしてくれるはずですから。

ここで考えなければいけないのは2年生です。精一杯やっているのかもしれませんが、様々な条件が重なって結果的に走れませんでした。このレベルでこれから先、本当に戦えるのか?3年生に頼っているからこのような結果になる。今回、2年生がいつも通りの走りをすればもっと楽に良いタイムが出せています。かなりの確率で48秒3を切るレベルだったと思います。それなのにこのタイムはどうなのか??

二人のエースの存在でチームが成立している。2年生はいつの間にかその二人に頼っていて自分の役割が果たせなくなっているのです。試合前なので言いませんでしたが、レース数日前に故障するというのはありえません。それでも必死になれない。どう考えても3年生程の力がないのにその3年生に勝つための努力はできていない。必死さもない。これで勝てるはずがありません。

この事に大きな疑問を感じました。何となくいつまでも3年生に頼れるのではないかと勘違いしているのではないか??確実に「最後のレース」は近づいているのです。中国大会の予選で落ちればあと1本しか走れないのです。うちが最大限の力を出し切れればひょっとしたらインターハイの準決勝に進めるかもしれません。県記録を更新できれば可能性はあると思っています。それでも最大で「5本」しか全力で「心」をつなぐリレーは出来ないのです。何処かで落ちてしまえばそこで終わり。この事が理解できていないのではないかと感じました。そのためかなり話をしました。

大好きな2人と一緒に走れるのは本当に限られた期間です。いつまでも楽しい時間が続くわけではない。キャプテンはそのことを感じているから日誌に様々な想いを書ける。2年生以下は「力が足りない」と言うだけ。本当にやるべきことが見えていません。あと5本しかない。この事を勝って帰った学校で話しました。勝って嬉しいで終わったら何も生まれません。勝った瞬間は嬉しいかましれませんが、終わったことです。いつまでもそこに浸っているほど余裕を持つことはできません。かなり話をしましてこの子達も感じたことがあるはずです。

最高のタイミングだと思いました。これから中国大会までにこの2人が劇的に変わるチャンスです。ここで変われなければこれから先絶対に変われない。このきっかけを生かすために卒業に連絡をしました。うちの学校で初めて「エース」として私が認めた選手です。甘い部分がありましたがあるきっかけで劇的に変わりました。今の2年生と重なる部分があります。この2年生が変わればうちは本当に強くなります。3年生に頼りっぱなしのチームから変われる。

初めてエースとして認めた選手の練習日誌を持って来てもらうことにしました。この子は本当に強かったのですが冬期が明ける時に足を痛めて走れなくなりました。県総体の直前の火曜日、ポイント練習で全く走れず無理やり練習をした記憶があります。それでも県総体は決勝に残りました。とても残れるレベルではなかったのですが気持ちの部分で持って行けたのだと思います。そのためあえてマイル決勝のメンバーから外しました。悔しさを経験させることで最後の最後に「秘められた力」を爆発させて欲しいと思っていたからです。これが刺激になったのかは分かりませんが中国大会では驚くべきパフォーマンスを示してくれました。本当にエースとして誰もが認める存在になったと思います。

この子の存在と2年生、重なります。そのため日誌を持ってくるついでに2年生と直接話しをしてもらうことにしました。このことが2年生を大きく変えてくれるのではないかと思いました。真剣に話しを聞いていました。翌日の日誌を読むと2年生が変わるのではないかと感じさせる内容が書かれていました。この過去のエースの「負けたくない」という想い。チーム内のライバルに絶対に勝ってやるという強い気持ち。それだけ持っていてもインターハイに届かなかった。応援してくれている全ての人に感謝しながらその人たちの想いを背負ってインターハイにいく!そのような内容です。これまでのこの子とは大きく違って来たと思います。これが変われれば絶対に届く。そう感じさせるものでした。

私だけでは伝わらない。しかし、卒業した子達の話しを聞くと同じものを感じるのだと思います。卒業生が2人来てくれましたがどちらも後悔している、この時期になると毎年思い出すと話していました。一生忘れられないと思います。3年生と一緒に出来る時間を大切にしながら同じ目標を目指す。卒業生から直接伝えられる言葉は2年生に響いたはずです。これは2年生には必要だと思いました。大きな刺激です。

本当にラストチャンスだと思います。ここで変われなければインターハイはない。大好きな3年生と一緒に走りたいと思うなら勝ち上がるしかない。それだけが唯一の方法です。肉体的な準備も必要ですが精神的な準備も絶対に必要。いい方向に進んでもらいたいと思います。卒業生の存在に心から感謝。
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県総体~キャプテンの存在の大きさ~

2014-06-05 | 陸上競技
今回、表面的には「競技面の活躍」が目立ちました。素晴らしい選手たちがチームにいてくれてその選手を中心にチームが上手く機能していたのです。県総体でここまでチームが一致団結していたことが本当にあったでしょうか?数年前に県総体で優勝した時、チームは本当に強かったと思います。長距離選手0、総勢7人で県総体のトラックの部優勝、投擲選手がフィールド優勝してくれて総合優勝。しかし、当時は物足りなさもありました。選手間に「温度差」があり、3年生は意識が高かったですがそれ以外の学年の意識レベルの低さが目立ちました。結果、中国大会で大きな失敗につながる。

今回は本当にチームとして機能した気がします。走る選手ももちろんですがそれ以外の選手もしっかりとサポートに回ることができていた。金曜日の朝、卒業した前キャプテンが学校に来てくれました。人数分の「ミサンガ」を作って持ってきてくれたのです。これは本当にありがたいことです。自分が果たせなかった夢を現役選手に託す。その「想い」が本当にありがたいと思います。今のチームのベースを作ってくれたのはこの子だと思います。キャプテンとして孤立していた部分もあります。周りが誰もサポートしないので一人で背負う。その苦しさは我々が思う以上のモノだと思います。

今回のチームの活躍。一番貢献しているのは現キャプテンです。これは自信を持って言えます。私が指導してきた中で最も成長したキャプテンだと思います。本人は「キャプテン向きではない」と言い続けていました。まーそうでしょうね。しかし、この子の明るさはチームを大きく変えると信じていました。もちろん、大きなストレスを感じながらやっていくこともあります。苦痛に思うことも多くあったでしょう。人見知りなので人前に立つことは苦手。それでもチームを左右する存在だと思いキャプテンにしました。入学当初はバトン練習の前にバトンにタンポポを詰めて遊んでいる選手でしたが(笑)。これは今では笑い話です。バトンにタンポポを詰めて走ろうとしたらバトンからタンポポが飛び出して・・・という感じでした(笑)。

しかし、この半年間本当に変わりました。この子を変えたのはなんだったのか?やはり、「リレーに対する想い」だと思います。多分私以上にこのリレーにかける思いは強い。そして、周囲に対する気配りができるようになっている。中学時代から考えると本当に別人だと思いますね。この子の成長は私の指導歴で一番だと思っています。前の記事にも書きましたが「2年連続決勝での失敗」と新聞記事と載っていました。この子の「想い」がここに表れているのです。決勝終了後、大きなエースに抱き着いて何も言わずに涙を流していました。この涙の意味、本人にしかわかりません。キャプテンの総体後の日誌を読んで私は涙が止まりませんでした。日誌には「昨年も一昨年も失格になって、走力的にはいけるやろうって思っていた中国にすら行けなくて、先輩の最後を自分がだいなしにしてしまった。そして伝統も途切れてしまった。だから、今回はどうしても1位になりたかった」と書かれていました。この「想い」がこの子の中に大きくあったのです。普段は決してそのような姿を見せることがない。それでも「心」に秘めた思いは誰よりも強い。

周りに対する配慮。決勝の朝を迎えて「絶対に勝ちたい」と思っていたようです。「でも、変にチームの雰囲気が変わったら4継の決勝という一番緊張をするところを経験したことのないKちゃんが緊張してまた走りが上に抜けたらいけないっと思ったからいつも通りの雰囲気で行けるようにした。他の2人にもお願いしていつも通りの雰囲気を作った」。この子の気配りがあるからこそ、チームは明るい雰囲気でレースに臨めたのだと思います。これも前の記事に書きましたが1走のKと別れる時にキャプテンが「頑張ろうね」ではなく明るく笑顔で「また後でね~」と言っていたのはこういう意味もあったのかもしれません。思い返してみて初めて分かる。

「決勝前の声だし。いつもなら4人でやるけど、女子の4継はみんなの目標でもあるし、4継を中心として今まで練習しているから忙しかったかもしれないけど、短距離男女全員で声だしをした。いつもやっているから恥ずかしさとかは全くなかった。全員の中で一番大きい声を出した自信がある」。走るのは4人だけどそこに到達するまでに多くの人の力があった。だからこそ4人だけの声出しではなく全員で声を出したのだと思います。このことは日誌を見て初めて知りました。私が思うよりもこの子の「意識レベル」「競技に対する想い」は高い。それも「チーム」としてどうすればいいのかも分かっている。この子の存在がチームを機能させているのです。

決勝。いつも選手同士の声掛けをするのですが「他の声と重なってKちゃんの声があまり聞こえなかった。でもいつもお互いが手をあげて声掛けが始まるし、Kちゃんのタイミングを覚えていたし、声が聞こえなくても通じた」。この子たちの想いが伝わっているのです。いつもやっていることだからそれができる。 「レースのことは記憶にない」。放送で「shoko」と言われて「たくさんの人が喜んでくれて、たくさんの人がおめでとうって言ってくれた。他校の保護者、他校の選手も「shokoが1位になって欲しい」と応援してくれていたらしい。たくさんの人から応援されるチームこそ強いチームなんだなとあらためて思った」。これまで言い続けてきたこと、この子の中にあります。誇らしいですね。

「今回1位になったことはとても嬉しいけど、思うよりタイムが出なかった。一人一人走力を上げないといけない。100mで12秒19がでた。でもそれは風があって出た記録。2走は大体向い風だから12秒19では走れていないと思う。向い風の中でも12秒10で走れるようになりたい。じゃないとこのままでは7番で終わってしまう。7番で終わるのは嫌。そうならないようにできることはやっておきたい。」。冷静です。単に喜んで「これでインターハイに行ける」と思っているわけではありません。このままでは「ダメだ」と強く思っている。少し心配していた部分ですが私があれこれ言うよりもこのキャプテンが一番分かっているのです。とにかく涙が出ます(笑)。

「もう引退が近づいている。今までキャプテンらしいこと、一切できていない。先輩らしいことも一切できていない。だから最後に後輩たちを連れて行ってあげたい。自分は去年インターハイに連れて行ってもらい自分たちとの違いにたくさん驚かされて、変わるチャンスをもらうことができた。だからみんなにもそうさせてあげたい。これから新しいチームで戦うためにも2人がもっと強くならなければいけない。そして最後はやっぱりいい思い出で終わりたい。」「100、200で上位に行きたいって思う。けど、どうしても4継を中心に考えてしまうから、後回しにしてしまう。この2つの競技は4継には勝てない。それだけ4継への気持ちは強い」。

何度も書いていますが、今のチームはこのキャプテンの存在が大きい。もう一人の3年生も他の選手も「キャプテンに対する感謝」を日誌に繰り返し書いていました。この子がいてくれるから今のチームがある。私の力は微々たるものです。この子がいてくれなかったら間違いなくどこかでチームは崩壊していると思います。普段のキャプテンの様子を見るとそんなに深く考えているようには思えません(笑)。それでも誰よりもチームのことを大切にして、リレーを大切にしている。こんな子がいるから「応援してもらえるチーム」となるのだと思います。今まで指導してきた中で最高の成長をしているキャプテンですし、「キャプテン」として最高だと思っています。このblogを書いていても泣けてきます(笑)。

応援してください。この子たちは色々な意味で辛い経験もしています。それでも「チーム」としていい方向に向かっている。ある選手から「うちが一番強かったのは何年前ですか?」と聞かれたことがあります。総合優勝したときも「強い」と思っていましたが、総合的に見て今が一番だと思います。方向性が定まっている。当時は3年生のみが強かった(色々な意味で)。今は「チーム」として強い。このキャプテンがいる限り、私があれこれ心配することはないと思います。自分でコントロールしてくれる。この子がいるからチームに「笑顔」が絶えない。素晴らしい選手です。誇りに思います。

良い選手に囲まれて指導できる。これほど幸せなことはないと思います。心から感謝したい。ありがとう。
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