日曜日、中国大会最終日。この日は朝から大雨。とても屋外でアップできる状況ではないという感じでした。それでもアップはしなければいけません。リレー等がないですから気持ちゆっくり動きました。マイル出場チームが室内練習場を使っているので屋内ではできません。うちの2人は様子を見ながら身体を動かす。傘をさして外を歩いているうちに雨が小降りになり何とか競技場内で練習ができる状況となりました。一安心。
アップに行く前に小さなエースがイライラしているのがこちらにも伝わってきました。様子を見るとあれこれ頼られている。一番最後のレースなのにこのような状態は・・・。本人的には100mでインターハイを決めていますから200mで「絶対やってやる」という感じではなかったと思います。前日に話を聞いたら「200はちょっと・・・」と言っていました。これは県総体でも同様でした。リレーに対する思い入れが強い分、個人種目へのこだわりがない。「もう疲れました(笑)」と言っていたのは本心の部分もあるでしょう。1日にかなり高い集中力で競技をしているのですから仕方ない。昨年は200mだけでしたが「最終日まで長すぎて集中が保てない」と言っていましたから。
そのような状態でしたが、「高校生活最後の200mになるので1本は走りたい」と言っていました。これも本心でしょう。中学時代は200mで県チャンピオン。本人は「200mの選手」と言われるがすごく嫌だったと漏らしていました。100mで勝てないから200mをやっているという見方をされると思っていたのでしょう。そんなことはないのですが。中学時代のベストは26秒9でした。例年に比べると記録的には物足りないのかもしれません。うちに入ってきてくれた唯一の「県チャンピオン」です。「最後の200m」という言葉を聞いて「集中させてあげたい」と思いました。下級生、そのような気持ちを感じることができていない。リレーでインターハイを決めたらそれでいいのか?どこまで3年生に頼りっぱなしなのかという感じですね。
予選は大きなエースが先。これは無難に予選通過。25秒83で県総体の優勝タイムとほぼ同じ。小さなエースは25秒96で昨年の中国大会前に出したベスト記録とほぼ同じ。問題なく予選通過しました。他校の様子はよくわかりませんがうちにはこの2人の「スーパーエース」がいます。この2人性格的に真反対。声掛けも大変です。同じアドバイスは通用しません。走りのタイプも性格も全く違う。だから練習では一緒に走らせません。「高いレベルで競り合えていいですね」と言われますが練習で2人が一緒に走ることはありません。時々、他校の先輩が合宿中に一緒に走らせてくれますがそれ以外は皆無。試合の合間のアドバイスなども個別にやるようにしています。この日はあえてほとんど声掛けをしませんでした。ここまできたら自分達で思うように走ればよいと感じていたからです。
今回の200m、3人の力が抜けていました。1人は23秒台、2人は24秒中盤の選手。うちの今の練習スタイルであれば200mのスピード持続というのはどこまでできるか分かりません。本当にショートスプリントにウエイトを置いているのでここ最近では150mさえも走っていません(笑)。3本走るというのは至難の業。200m中心に考えたりマイルを走ることまで視野に入れていくと違うのかもしれませんがタイプ的に違うなと感じているのでそれはやりません。距離を踏むと色々と弊害もあると思っています。まー「今のうちの選手には合わない」というだけなのかもしれませんが(笑)。いつもこのスタイルでやることはないと思います。
で、このトップ3人のうち2人が1組目、大きなエースも一緒。2人が25秒1で通過して大きなエースは25秒59で3着。2組目には小さなエース、こちらは競り合って0.03秒差で3位。25秒66のベストです。走るたびに記録を更新していくというのは「強い選手」「インターハイに行く選手」の必要条件だと思いますね。本人も以前日誌に「ラウンドを進むごとに記録を上げていける選手になる」と言っていました。有言実行。が、この3着により100mの決勝と同じく8・9レーンにうちの2人のエースが並ぶ展開。それもまたアウトに小さなエース。何度目でしょうか。
決勝に同一校が残ったはやはりうちだけ。多くの学校の選手がいて中国の決勝の舞台に残れるのはたった8人。そのうち2人が同一校。本当にすごい選手たちです。レースは小さなエースが前半から逃げる。それを大きなエースが追うという展開。直線に入ってきたときには小さなエースは5番手争い、大きなエースがそれに次ぐという感じでした。ラスト50mで大きなエースの動きが崩れる。大幅減速です。それと対照的に小さなエースは尋常ではない高速ピッチを保つ。最後逆転して25秒29の大幅ベストで4位入賞。大きなエースは残念ながら26秒01で8着。それでもこの舞台に立てたことが私としては誇らしく感じます。
結果的に県総体とは順位が逆転しました。それくらい紙一重の力の差だと思います。この大会、小さなエースの活躍が目立ちました。特徴的な走りをします。レースを見ていると他県の選手たちが「あの選手のピッチすごいよね」と耳にします。これだけのピッチを保てる選手が他にいるのでしょうか。身長は150cmあるかないか。その選手が100mを12秒17、200mを25秒29で走る。本人いわく「人より足を動かす回数が多いので倍疲れる」とのことです。冗談半分で言いますが実際にきついと思います。それをやってのける。今回、リレーでも個人でも大活躍。チームの中で一番精神的に成長してきたと思います。中学時代とは全くの別人です。大きなエースは自分の走りができずに終わってしまった感じがあります。ここには間違いなく小さなエースを意識しすぎている部分があります。自分のレースをするというよりは「負けたくない」という焦りから走りが硬くなる。これが大きく影響している。お互いがお互いに負けたくない。小さなエースも「負ける」ことは大嫌いです。だから勝ちたい。それでも「ゾーンに入る」というか集中すると全く周りを気にしなくなります。それがこの子の強さ。素晴らしいと思います。
結果的に4継4位、100m4・5位、200m4位。初めて複数種目でインターハイ出場を決めました。小さなエースは3種目で4位。本人は「微妙」と言っていましたが(笑)。どうせなら3位に入りたかったという意味だと思います。だからといってめちゃくちゃ悔しがるということはない。これがこの子の最大の良さ。チームをここまで引き上げてくれたのは間違いなく小さなエースです。あー、これまで別々に書いていましたからなかなか理解してもらえなかったかもしれませんが、「小さなエース」=「キャプテン」です。立場的に違うのであえて分けて書いていました。この子の存在がチームを劇的に変えました。大きなエースが競技力で引っ張っていてそれに負けないように小さなエースが競り合う。さらにキャプテンとしてチームをまとめる。素晴らしい選手に成長してくれたと思います。若干ほめ過ぎかもしれませんが(笑)。
ともあれ中国大会終了。本当に素晴らしい大会となりました。ここまで来れたのは応援してくださった保護者の方々、関係者の方々、OB・OG、師匠や先輩のおかげです。素晴らしい選手がいてくれてその子達を応援してくださる。多くの人に支えられてこの舞台に立ち結果を残すことができた。感謝の言葉しかありません。数人の方々には直接電話でお礼を言ったのですが全員とまではいきません。本当にありがとうございました。良い選手たちに囲まれて指導者として幸せです。しかし、これで終わりではありません。やっとスタートラインに立てだけ。全国で結果を残せるように最大限に取り組んでいきたいと思います。これからも引き続き応援お願いいたします。本当にありがとうございました。
アップに行く前に小さなエースがイライラしているのがこちらにも伝わってきました。様子を見るとあれこれ頼られている。一番最後のレースなのにこのような状態は・・・。本人的には100mでインターハイを決めていますから200mで「絶対やってやる」という感じではなかったと思います。前日に話を聞いたら「200はちょっと・・・」と言っていました。これは県総体でも同様でした。リレーに対する思い入れが強い分、個人種目へのこだわりがない。「もう疲れました(笑)」と言っていたのは本心の部分もあるでしょう。1日にかなり高い集中力で競技をしているのですから仕方ない。昨年は200mだけでしたが「最終日まで長すぎて集中が保てない」と言っていましたから。
そのような状態でしたが、「高校生活最後の200mになるので1本は走りたい」と言っていました。これも本心でしょう。中学時代は200mで県チャンピオン。本人は「200mの選手」と言われるがすごく嫌だったと漏らしていました。100mで勝てないから200mをやっているという見方をされると思っていたのでしょう。そんなことはないのですが。中学時代のベストは26秒9でした。例年に比べると記録的には物足りないのかもしれません。うちに入ってきてくれた唯一の「県チャンピオン」です。「最後の200m」という言葉を聞いて「集中させてあげたい」と思いました。下級生、そのような気持ちを感じることができていない。リレーでインターハイを決めたらそれでいいのか?どこまで3年生に頼りっぱなしなのかという感じですね。
予選は大きなエースが先。これは無難に予選通過。25秒83で県総体の優勝タイムとほぼ同じ。小さなエースは25秒96で昨年の中国大会前に出したベスト記録とほぼ同じ。問題なく予選通過しました。他校の様子はよくわかりませんがうちにはこの2人の「スーパーエース」がいます。この2人性格的に真反対。声掛けも大変です。同じアドバイスは通用しません。走りのタイプも性格も全く違う。だから練習では一緒に走らせません。「高いレベルで競り合えていいですね」と言われますが練習で2人が一緒に走ることはありません。時々、他校の先輩が合宿中に一緒に走らせてくれますがそれ以外は皆無。試合の合間のアドバイスなども個別にやるようにしています。この日はあえてほとんど声掛けをしませんでした。ここまできたら自分達で思うように走ればよいと感じていたからです。
今回の200m、3人の力が抜けていました。1人は23秒台、2人は24秒中盤の選手。うちの今の練習スタイルであれば200mのスピード持続というのはどこまでできるか分かりません。本当にショートスプリントにウエイトを置いているのでここ最近では150mさえも走っていません(笑)。3本走るというのは至難の業。200m中心に考えたりマイルを走ることまで視野に入れていくと違うのかもしれませんがタイプ的に違うなと感じているのでそれはやりません。距離を踏むと色々と弊害もあると思っています。まー「今のうちの選手には合わない」というだけなのかもしれませんが(笑)。いつもこのスタイルでやることはないと思います。
で、このトップ3人のうち2人が1組目、大きなエースも一緒。2人が25秒1で通過して大きなエースは25秒59で3着。2組目には小さなエース、こちらは競り合って0.03秒差で3位。25秒66のベストです。走るたびに記録を更新していくというのは「強い選手」「インターハイに行く選手」の必要条件だと思いますね。本人も以前日誌に「ラウンドを進むごとに記録を上げていける選手になる」と言っていました。有言実行。が、この3着により100mの決勝と同じく8・9レーンにうちの2人のエースが並ぶ展開。それもまたアウトに小さなエース。何度目でしょうか。
決勝に同一校が残ったはやはりうちだけ。多くの学校の選手がいて中国の決勝の舞台に残れるのはたった8人。そのうち2人が同一校。本当にすごい選手たちです。レースは小さなエースが前半から逃げる。それを大きなエースが追うという展開。直線に入ってきたときには小さなエースは5番手争い、大きなエースがそれに次ぐという感じでした。ラスト50mで大きなエースの動きが崩れる。大幅減速です。それと対照的に小さなエースは尋常ではない高速ピッチを保つ。最後逆転して25秒29の大幅ベストで4位入賞。大きなエースは残念ながら26秒01で8着。それでもこの舞台に立てたことが私としては誇らしく感じます。
結果的に県総体とは順位が逆転しました。それくらい紙一重の力の差だと思います。この大会、小さなエースの活躍が目立ちました。特徴的な走りをします。レースを見ていると他県の選手たちが「あの選手のピッチすごいよね」と耳にします。これだけのピッチを保てる選手が他にいるのでしょうか。身長は150cmあるかないか。その選手が100mを12秒17、200mを25秒29で走る。本人いわく「人より足を動かす回数が多いので倍疲れる」とのことです。冗談半分で言いますが実際にきついと思います。それをやってのける。今回、リレーでも個人でも大活躍。チームの中で一番精神的に成長してきたと思います。中学時代とは全くの別人です。大きなエースは自分の走りができずに終わってしまった感じがあります。ここには間違いなく小さなエースを意識しすぎている部分があります。自分のレースをするというよりは「負けたくない」という焦りから走りが硬くなる。これが大きく影響している。お互いがお互いに負けたくない。小さなエースも「負ける」ことは大嫌いです。だから勝ちたい。それでも「ゾーンに入る」というか集中すると全く周りを気にしなくなります。それがこの子の強さ。素晴らしいと思います。
結果的に4継4位、100m4・5位、200m4位。初めて複数種目でインターハイ出場を決めました。小さなエースは3種目で4位。本人は「微妙」と言っていましたが(笑)。どうせなら3位に入りたかったという意味だと思います。だからといってめちゃくちゃ悔しがるということはない。これがこの子の最大の良さ。チームをここまで引き上げてくれたのは間違いなく小さなエースです。あー、これまで別々に書いていましたからなかなか理解してもらえなかったかもしれませんが、「小さなエース」=「キャプテン」です。立場的に違うのであえて分けて書いていました。この子の存在がチームを劇的に変えました。大きなエースが競技力で引っ張っていてそれに負けないように小さなエースが競り合う。さらにキャプテンとしてチームをまとめる。素晴らしい選手に成長してくれたと思います。若干ほめ過ぎかもしれませんが(笑)。
ともあれ中国大会終了。本当に素晴らしい大会となりました。ここまで来れたのは応援してくださった保護者の方々、関係者の方々、OB・OG、師匠や先輩のおかげです。素晴らしい選手がいてくれてその子達を応援してくださる。多くの人に支えられてこの舞台に立ち結果を残すことができた。感謝の言葉しかありません。数人の方々には直接電話でお礼を言ったのですが全員とまではいきません。本当にありがとうございました。良い選手たちに囲まれて指導者として幸せです。しかし、これで終わりではありません。やっとスタートラインに立てだけ。全国で結果を残せるように最大限に取り組んでいきたいと思います。これからも引き続き応援お願いいたします。本当にありがとうございました。