金曜日、この日も相変わらず(笑)。授業があるので事務作業等がなかなか進みません。合間にインターハイのための手続きと祝い金などの申請を行いました。さらには山梨での交通手段の確保にも奔走。人数が私を含めて8人。レンタカーを借りることもできませんからあれこれ考えさせられます。なんとかジャンボタクシーを1台予約することができました。小型タクシーでも移動は可能だと思いますが3台となり別行動になるのはできるだけ避けたい。一緒に行動できるほうが良いですから。場所的に不便なところにあるようです。まだまだ考えていかなければいけないですね。
練習をするつもりでしたが小雨が降る&3年生がテスト対策の補習をしてもらっていたので諦めて軽く補強して終了。まーこれでいいかなという感じです。絶対に練習をしなければいけないという強迫観念はほとんどありません。もちろん、インターハイに向けてやっていかなければいけないのですが今は焦る必要はないかなと。万が一欠点を取ろうものならインターハイどころではありません。「練習だけすればよい」とは思っていません。やるべきことをやる。そこができなければいけないと思います。周りからも応援されない。そんなチームにはなりたくないので。
で、全然関係ないのですがあれこれ考えていました。うちの選手の状況についてです。「すごいね」と言われることがかなりありました。12秒1でインターハイを決める選手が2人いるというのは本当に素晴らしいことだと思っています。「2人いるから競り合ってハイレベルな練習ができるのでしょうね」と言われます。残念ながら全く競り合っていません。練習で一緒に走ることは皆無です。これは私が「別々の方が良い」と判断して行っているだけです。正しいかどうかは分かりません。一緒に走っていたらひょっとしたらもっともっと強くなっていたのかもしれない。こればかりは分かりません。が、一番近くで練習を見ていて「一緒にやらせるのはマイナスだ」と感じて1年生の時からほとんど一緒に走りませんでした。
大きなエースは練習でも「絶対に勝ちたい」タイプです。逆に小さなエースは「大会で勝つ」というタイプ。練習ではそれほど驚異的な走りはしません。見ていたら「12秒1で走るの?」と感じると思います。本人は練習でも一生懸命にやっています。決して手を抜いているわけではない。が、「驚異的な集中力」で走るタイプなので通常の練習は長すぎます。2~3時間も高い集中をしていたら持ちません。それを分かって指導しているつもりです。大きなエースはどうしても勝ちたい。レースでも練習でも勝ちたい。下手をすると余裕がなくなるタイプです。これが結果的にレースに出てしまう。今回の中国大会が悪い例ですね。
大きなエースと小さなエースは全く反対側にいました。大きなエースは1年生から12秒台に入り秋には12秒5で走りました。が、小さなエースは1年生の時は13秒台。県で決勝に残れませんでした。大きなエースは「自分は速く走れる」というプライドを持っていたと思います。逆に小さなエースは「我慢」でした。小さなエースも人一倍負けず嫌いです。練習でも勝てなければ「悔しい」と思っていたはずです。特に同じチームの同級生が活躍している姿を見て「勝てなくても仕方ない」とは思わないはずです。大きなエースは「勝つのが当たり前」と思っていたはずです。1年生の時点での100mの差が0.5秒以上あったのですから。
2年生の秋、小さなエースをインターハイに連れて行きました。来年この舞台でリレーで戦うのだという意識を持たせるためです。大きなエースがインターハイに進んでくれたのでそのおかげで間近で競技を見ることができました。この辺りから確実に小さなエースは変わっていきました。これまでのベストが12秒9だったのに秋の新人でいきなり12秒6までいき、さらには田島記念で「12秒35」の大会新記録で優勝。驚くべき成長でした。この時点で大きなエースは調子が上がらなかったのですが「このままでは負けてしまう」という危機感から不調を脱出。12秒39で走ることができました。これまでは「負けることはない」と思っていた部分が少なからずあるはずです。それが追い込まれて何とか力を出せた。お互いの存在があるからだと思いますね。
今年の春先、小さなエースは安定して好調でした。支部大会の前に大きなエースが男子と走って負けるので「自分は走れていない」と言い続けていました。そこで女子と一緒に走らせる。スタート練習だったのですが小さなエースに負けてしまいました。あろうことか途中で勝てないと思ってスピードを緩める。こういう部分がこの子の成長を妨げていると思って話をしました。明らかにイライラしていました。他の人のことを気にし過ぎている。走ることに対して感情的になりすぎると絶対に結果は出ません。練習の途中でスピードを緩めるということは決して良いことではありません。このような状況になると何を言っても入らないので少し時間をおいてから話しました。結果的に支部大会は小さなエースの圧勝。気持ちのコントロールができなくなった方が負けです。「勝ちたい」が前面に出過ぎるとそれだけになってしまい、冷静さを欠きます。
強い選手が2人いる。これは本当に素晴らしいことです。しかし、本人達も周りもそんなに簡単なものではないというのは理解していただきたい。別に他の人に理解してもらう必要はそれほどないのですが(笑)。逆に県総体では大きなエースの勝ち。3冠をしました。小さなエースは4継で勝てたことに安心していて個人種目で勝とうという気持ちは小さくなっていたのではないかと思います。大きなエースは「個人でも勝ちたい」タイプです。ここも難しいところです。
今回、4継でインターハイを決めました。その後の100m、大きなエースは「記録を出したい」と強く思う。小さなエースは「インターハイには行きたいがリレー中心だから」という考え方。無理に記録を狙わない走りだからこそいい結果につながったとも考えられます。大きなエースは「絶対に勝ちたい」と思っていたはずです。何度も言っていますが最大のライバルは同じチーム内にいるのです。「自分が一番だ」と思うプライドがあります。逆に小さなエースも「負けることを受け入れているわけではない」のです。競技者として「勝ちたい」という気持ちは同じ。負けるためにやっているわけではありませんから。私としてはどちらか一方を優先するつもりはありません。どちらも大切な選手ですから。それくらいハイレベルで力の差がない選手が2人もいる。これは幸せですが本当に大変なことです。
この部分を選手が受け入れられるようになるともう一歩人として成長してくれると思います。簡単なことではありません。負けた方が「無愛想」になると勝った方は素直に喜べません。勝った方が過剰に喜びを示すと負けた方は嫌な気持ちになります。これは競技者として考えなければいけない部分。自分さえよければよいというのでは困りますから。勝った方に素直に「おめでとう」と言える選手になってほしい。簡単なことではない。でも2人がいてくれたからうちのチームの今がある。勝った方が「嫌だな」と思うようなチームにはしたくないと思います。負けた方が勝った方を「なんなんだ」と恨むようなチームにも。
これだけの良い選手がいてくれる。幸せなことですが結構真剣に悩む部分もあります。「決勝でしか一緒に走らない」という2人です。どちらが強いのかはその日の「結果」が全てです。そこを受け入れることのできる選手になってくれるといいなと感じています。
小さなエース、大きなエース。どちらも本当に良い子です。競技に対しては純粋に取り組んでくれています。それ以外のストレスをできるだけ消していきたい。「Good Loser(よき敗者)」という言葉があります。この2人だけではなくうちの選手全員が「Good Loser」として「負けること」から学べるようになって欲しい。勝った者は謙虚になる。勝ったから全てが良しではないのですから。こういう部分を競技を通じて学んでほしいと強く思います。
なんとなく書いてみました。特に深い意味があるわけではありません。結構、大変な状況で競技をやってきています。良い選手を預かったからこそ経験できることです。多くの人に感謝。
練習をするつもりでしたが小雨が降る&3年生がテスト対策の補習をしてもらっていたので諦めて軽く補強して終了。まーこれでいいかなという感じです。絶対に練習をしなければいけないという強迫観念はほとんどありません。もちろん、インターハイに向けてやっていかなければいけないのですが今は焦る必要はないかなと。万が一欠点を取ろうものならインターハイどころではありません。「練習だけすればよい」とは思っていません。やるべきことをやる。そこができなければいけないと思います。周りからも応援されない。そんなチームにはなりたくないので。
で、全然関係ないのですがあれこれ考えていました。うちの選手の状況についてです。「すごいね」と言われることがかなりありました。12秒1でインターハイを決める選手が2人いるというのは本当に素晴らしいことだと思っています。「2人いるから競り合ってハイレベルな練習ができるのでしょうね」と言われます。残念ながら全く競り合っていません。練習で一緒に走ることは皆無です。これは私が「別々の方が良い」と判断して行っているだけです。正しいかどうかは分かりません。一緒に走っていたらひょっとしたらもっともっと強くなっていたのかもしれない。こればかりは分かりません。が、一番近くで練習を見ていて「一緒にやらせるのはマイナスだ」と感じて1年生の時からほとんど一緒に走りませんでした。
大きなエースは練習でも「絶対に勝ちたい」タイプです。逆に小さなエースは「大会で勝つ」というタイプ。練習ではそれほど驚異的な走りはしません。見ていたら「12秒1で走るの?」と感じると思います。本人は練習でも一生懸命にやっています。決して手を抜いているわけではない。が、「驚異的な集中力」で走るタイプなので通常の練習は長すぎます。2~3時間も高い集中をしていたら持ちません。それを分かって指導しているつもりです。大きなエースはどうしても勝ちたい。レースでも練習でも勝ちたい。下手をすると余裕がなくなるタイプです。これが結果的にレースに出てしまう。今回の中国大会が悪い例ですね。
大きなエースと小さなエースは全く反対側にいました。大きなエースは1年生から12秒台に入り秋には12秒5で走りました。が、小さなエースは1年生の時は13秒台。県で決勝に残れませんでした。大きなエースは「自分は速く走れる」というプライドを持っていたと思います。逆に小さなエースは「我慢」でした。小さなエースも人一倍負けず嫌いです。練習でも勝てなければ「悔しい」と思っていたはずです。特に同じチームの同級生が活躍している姿を見て「勝てなくても仕方ない」とは思わないはずです。大きなエースは「勝つのが当たり前」と思っていたはずです。1年生の時点での100mの差が0.5秒以上あったのですから。
2年生の秋、小さなエースをインターハイに連れて行きました。来年この舞台でリレーで戦うのだという意識を持たせるためです。大きなエースがインターハイに進んでくれたのでそのおかげで間近で競技を見ることができました。この辺りから確実に小さなエースは変わっていきました。これまでのベストが12秒9だったのに秋の新人でいきなり12秒6までいき、さらには田島記念で「12秒35」の大会新記録で優勝。驚くべき成長でした。この時点で大きなエースは調子が上がらなかったのですが「このままでは負けてしまう」という危機感から不調を脱出。12秒39で走ることができました。これまでは「負けることはない」と思っていた部分が少なからずあるはずです。それが追い込まれて何とか力を出せた。お互いの存在があるからだと思いますね。
今年の春先、小さなエースは安定して好調でした。支部大会の前に大きなエースが男子と走って負けるので「自分は走れていない」と言い続けていました。そこで女子と一緒に走らせる。スタート練習だったのですが小さなエースに負けてしまいました。あろうことか途中で勝てないと思ってスピードを緩める。こういう部分がこの子の成長を妨げていると思って話をしました。明らかにイライラしていました。他の人のことを気にし過ぎている。走ることに対して感情的になりすぎると絶対に結果は出ません。練習の途中でスピードを緩めるということは決して良いことではありません。このような状況になると何を言っても入らないので少し時間をおいてから話しました。結果的に支部大会は小さなエースの圧勝。気持ちのコントロールができなくなった方が負けです。「勝ちたい」が前面に出過ぎるとそれだけになってしまい、冷静さを欠きます。
強い選手が2人いる。これは本当に素晴らしいことです。しかし、本人達も周りもそんなに簡単なものではないというのは理解していただきたい。別に他の人に理解してもらう必要はそれほどないのですが(笑)。逆に県総体では大きなエースの勝ち。3冠をしました。小さなエースは4継で勝てたことに安心していて個人種目で勝とうという気持ちは小さくなっていたのではないかと思います。大きなエースは「個人でも勝ちたい」タイプです。ここも難しいところです。
今回、4継でインターハイを決めました。その後の100m、大きなエースは「記録を出したい」と強く思う。小さなエースは「インターハイには行きたいがリレー中心だから」という考え方。無理に記録を狙わない走りだからこそいい結果につながったとも考えられます。大きなエースは「絶対に勝ちたい」と思っていたはずです。何度も言っていますが最大のライバルは同じチーム内にいるのです。「自分が一番だ」と思うプライドがあります。逆に小さなエースも「負けることを受け入れているわけではない」のです。競技者として「勝ちたい」という気持ちは同じ。負けるためにやっているわけではありませんから。私としてはどちらか一方を優先するつもりはありません。どちらも大切な選手ですから。それくらいハイレベルで力の差がない選手が2人もいる。これは幸せですが本当に大変なことです。
この部分を選手が受け入れられるようになるともう一歩人として成長してくれると思います。簡単なことではありません。負けた方が「無愛想」になると勝った方は素直に喜べません。勝った方が過剰に喜びを示すと負けた方は嫌な気持ちになります。これは競技者として考えなければいけない部分。自分さえよければよいというのでは困りますから。勝った方に素直に「おめでとう」と言える選手になってほしい。簡単なことではない。でも2人がいてくれたからうちのチームの今がある。勝った方が「嫌だな」と思うようなチームにはしたくないと思います。負けた方が勝った方を「なんなんだ」と恨むようなチームにも。
これだけの良い選手がいてくれる。幸せなことですが結構真剣に悩む部分もあります。「決勝でしか一緒に走らない」という2人です。どちらが強いのかはその日の「結果」が全てです。そこを受け入れることのできる選手になってくれるといいなと感じています。
小さなエース、大きなエース。どちらも本当に良い子です。競技に対しては純粋に取り組んでくれています。それ以外のストレスをできるだけ消していきたい。「Good Loser(よき敗者)」という言葉があります。この2人だけではなくうちの選手全員が「Good Loser」として「負けること」から学べるようになって欲しい。勝った者は謙虚になる。勝ったから全てが良しではないのですから。こういう部分を競技を通じて学んでほしいと強く思います。
なんとなく書いてみました。特に深い意味があるわけではありません。結構、大変な状況で競技をやってきています。良い選手を預かったからこそ経験できることです。多くの人に感謝。