kanekoの陸上日記

毎日更新予定の陸上日記です。陸上競技の指導で感じたことやkanekoが考えていることなどをひたすら書きます。

卒部式

2015-03-03 | 陸上競技
卒業式終了後、3年生は各クラスで色々とあります。その後、部活動での卒部式。

今年も昨年同様、保護者に来てもらって最後の姿を見てもらうことにしました。高校生活の中心は間違いなく「陸上競技」だと思います。その姿を見てもらうことで「区切り」を付けることができます。そういう時間を作ることが大事だと思っています。

最初に在校生から一言。泣きながら話をしていたので何を話しているのかほぼ分かりません。在校生も卒業生に対する想いがあると思います。私自身も大きな想いがあります。

卒業生は2人。それぞれ話をさせました。前日に約束として「保護者への感謝の言葉」を述べるように伝えていました。今年の卒業生は2人とも女子。保護者に「感謝」を伝えるのは結婚式くらいしかありません。高校生活の節目に「感謝」を保護者に伝える。今の自分があるのは間違いなく「保護者」の存在があったからです。普段は恥ずかしくて口にできないと思いますがこういう場面で話をするというのは大きなことだと思っています。

これまでのことを振り返りながら話をしていました。特に印象的だったのが「感謝」という部分でしょうか。二人とも「後輩」に話をしていました。一緒に練習をしてくれてありがとうという話。そして私に「ありがとう」と。日誌には「先生のおかげで」と書いてくれていました。この子たちに感謝されるためにやっているわけではありませんが、改めてこうやって言ってもらえると教師冥利に尽きますね。嬉しいことです。

特にいい場面だなと思ったのは小さなエースが大きなエースに向かって「ありがとう」と言ったことです。1,2年生の間は全く勝負にならなくて悔しくて悔しくてたまらなかった。それでも一緒のチームにライバルがいたからここまで頑張ってこれた。自分がインターハイに出場できたのは大きなエースが一番近くでライバルとして居てくれたからだと。涙を流しながらそれを伝えていました。普段このようなことは絶対に言えないと思います。最後の最後にこうやって「ありがとう」と言える。これは大きなことです。お互いに「負けたくない」と思うライバルが隣にいたからこそここまで来れたのだと思います。

小さなエースも言っていましたが、この子たちが入学してきたときはいったいどうなることかという感じでした。バトン練習をするときに二人でバトンの中にタンポポを詰めて走り始める。もちろんそのタンポポはバトンから飛び出してくるので辺りはタンポポだらけ・・・。それを見て二人で大笑いしている。勝負とか練習とかいう話ではない(笑)。小さなエースに「嫌いなことは?」と聞いたら一番最初に返ってきた言葉が「努力」でした(笑)。競技できない・・・。大きなエースは何度やってもバトンができない。1年生の間に3回ミスをして2回は失格。1回は止まってもらい0.02秒差で中国大会を逃す。本当に「どうなることか?」という所からスタートしています。

周りからは分からない成長があると思います。一番近くで見ているからこそ分かることがある。二人に話をしましたが3年間の大半は怒られてばかりでした。かなりのストレスを感じながらやっていたと思います。それでも競技と向き合ってきた。家に帰れば間違いなく保護者に愚痴を言っていたでしょう(笑)。そをこ乗り越えることができたからこそ今があるのです。

昨年、女子はたった4人でインターハイを目指しました。部員数は全部で6人。男子2人、女子4人。これくらいの規模でインターハイを目指すというのは周りから見れば「何を言っているのか」と思われるでしょう。全国的に見てそれくらいに規模で戦っている学校というのは少ないのではないかと思います。個人競技ですから1人いればインターハイに進むことができます。でもリレーというのは違います。一人ではできないのです。私がリレーを重視しているのはこの部分。一人ではできないことをみんなでやる。そこから学ぶことがある。一人でやるほうが自分のペースでできるので間違いなくやりやすいでしょうが、そうでない部分が大事。周囲に気を配りながら物事に取り組む。だから分かることがある。苦しい場面を乗り越えることで自分自身が成長できるのだと思っています。

結果、たった4人でやっていたリレーで中国大会4位に入りインターハイ。100mも200mも中国大会の決勝の舞台に2人が残り100mは2人でインターハイ。小さなエースは200mでも。更には長崎国体に2人で出場しリレーでバトンをつなぐ。高校生活の競技としては素晴らしい結果を残したと思います。それも彼女たちの努力と我慢があったから。少人数の中でここまでやりきることができたというのは本当に起きいと思います。書き始めるときりがないですね。この子たち2人に対する想いは書ききれません。これ最後かと思うと話を聞いていて私自身も涙が流れました。

私も二人と保護者に「うちの学校を選んでくれてありがとうございます」と伝えました。本当に心から思っています。この子たちが内をエア連でくれなかったらここまでのことはできませんでした。私自身、大きな勉強をさせてもらったと思います。技術的なことメンタル的なこと。今までのやり方だけであればこの子たちは途中で辞めてしまっていたかもしれません。お互いに我慢を覚えたのかなと(笑)。

最後に練習前にやる「声だし」をやって終わりました。最後の最後です。良い風景でした。

二人に関してはこれまでblogに何度も書いてきています。私自身、もう一度見直してみようかなと思います。「想い」はあります。本当に感謝しています。一人は地元への就職。これは今までやってきたことを活かせるような仕事です。もう一人は大学へ進学して競技を続けます。それぞれの道を自分の力で進んでもらいたいですね。この子たちの未来に幸多きことを心から祈ります。
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卒業式

2015-03-03 | 陸上競技
順番が前後しますが記憶がなくならないうちに卒業式の日のことを書いておきます。

3月1日、これは県内の公立高校の卒業式でした。今年は日曜日。3月1日に卒業式が設定されている理由は良くわかりません(笑)。一説によると覚えやすいからではないかという話がありますがこれは本当かどうか分かりません。「公立高校の卒業式は3月1日」というのがなんとなく決まっている。今年はたまたま日曜日。保護者は参加しやすいかもしれません。

立派な式でした。返事も校歌も大きな声でしっかりとできていました。こういう風景を見るとやはり良いですね。3年間で成長してここまで来る。途中色々なことがあったと思いますが高校最後の日をこうやって迎えることができるというのは多くの人の支えがあったからです。素晴らしい式だったと思います。卒業式を見るとやはり感慨深いものがあります。今卒業していく生徒たちに対してもそれぞれ想いがあります。わつぃがどう思っているかは生徒には関係ない部分ですが「高校時代に身に付けてもらいたい」と考える部分があってそれを授業の中で日常生活の中で意識させていく。口うるさい教員だったと思いますが多少なりと「想い」が伝わってくれたらなと思いますね。

現在2年生の担任。これも思うことはあります。最後の終礼で話をしました。365日後にはもう自分たちの卒業式です。気が付けば卒業式を迎える。その時に何を思うか?漠然と毎日を過ごしても365日は過ぎていきます。それでは面白くない。一つ一つのことを一生懸命にやる。その積み重ねで最後の日を迎えて欲しい。「まあいいや」という365日を過ごしていて本当に卒業式の日に涙が流せるでしょうか。雰囲気で流す涙ではなく、「仲間たちと過ごす最後の日だ」と思って流せる涙かどうか。同じ涙だとしても全く意味が違ってくると思います。

私はクラスの生徒と一緒に何かをやるときには「全力」でやるようにしています。中途半端ではなくめちゃくちゃ一生懸命やる。それが何年後かに確実に「思い出」となる。「高校時代」を振り返った時に「文化祭で揚げタコバカみたいに売ったよね」という話ができる。なんとなくやっている学校行事ではそんな話にはなりません。やるなら徹底的にやる。ヘトヘトになりながらそれでもやることで「やり遂げた」という感覚を持てます。それくらい一生懸命にやることで大切なことが分かる。「思い出づくり」だけではなく、「一生懸命にやることで学ぶこと」があると思っています。それが高校生活の財産となる。

そんな話をしました。部活のことはまた別に書きます。
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