土曜日。国体合宿2日目。この日は前日から人数が大幅減。細かい部分の指導ができる状況になりました。意味のある時間にしたいなと。
ホームストレートが寒かったのでバックスストレートでアップをすることに。前日は風も強かったで寒かったですがこの日はほぼ風がない。日が当たる場所は暖かかったですね。これくらいの暖かさで練習ができれば集中して練習することができます。マークを使ったアップを。こういう時にアップはそれほど考えていません。その場の状況に応じて実施していきます。選手の表情を見ながらというのもあります。テンションを上げるためにどうするかも考えならですね。補強をしながら練習を進めていきました。
この日も前日に引き続き「動きの基礎」を。人数も少なくなっていたのもあり細かい部分ができました。当初はもっと走ったほうがいいのかなと思っていましたがグランドで練習を見られているコーチ陣が「今回は基礎をしっかりやっておこう」と言われたのでそれに従いながら。「走る練習は学校でしっかり走るだろうから」ということでした。それぞれの「合宿」には目的があると思います。細かい技術などは気にせずに「数の力」を利用しながら「しっかりと走る」という合宿もあります。普段の単独での練習ではできない雰囲気のなかで「しっかり走る」ことができます。挫けそうになっても他の学校の選手が一生懸命にやっていたら「自分たちも」と思って取り組むことができる。そういう機会は重要です。
今回は少人数の中での練習だったので「走りの基礎」や「加速段階の動き」をきちんと身に付けてもらってそれを各学校でしっかりとやってもらおうという話でした。その趣旨に沿ってやる練習としました。参加選手の中には「もっと走りたい」と思う選手もいたかもしれません。通常の学校の練習では「走ること」が増えると思います。細かい技術的なことを度外視してやっていく。だからこそこういう機会に「走りの基礎」に関する部分をやっておく必要があるのかなと。本当はもっと細かく段階を追ってやっていく必要があると思います。限られた時間の中でどのような練習をするのか。ここを考えてやっていく必要があります。午前中はスパイクを履いて片足スキップをやって軽く走って終わり。そこまでにかなり基礎をやりました。
午後はそこから少し「スプリント」に関する部分に移行。時間をかけました。走る量としてはかなり少ない。が、上述のように「走るのは学校で」というスタンスでやるといわれたのでそれに従いながら。私の練習パターンは「積み上げ式」です。一つ一つ段階を追ってやっていく。前段階ができて次という感じの中で進めていきます。学校ではここまで丁寧にできないというのもあります。うちの選手にとってもすごく貴重な機会です。ほかの選手の動きをみながらできるので。
基礎的なことをやってから「一歩目」の部分を。ここもかなり説明しました。「話す時間が長い」と言われるかもしれません。数分は「やりたいこと」と「その必要性」について伝えます。どのような意味があるからやっているのかを理解してもらいたいなと思うからです。こういう合宿での練習で「その場ではできる」ということがあります。しかし、この手のことは「理解」して「継続」しなければ意味がない。各学校の練習に取り入れることはできなくても、自分自身でその部分を意識して練習することで効果は違います。重要だと思いますね。
「一歩目」をどのように運ぶか。細かい部分や感覚の部分も含めて話をして実践。専用仕様なのでトラックを横断する形で実施できました。目印があるとやりやすい。「跳びだし」と「接地の角度」を重視しながら。これを「3歩」にしてそこから「チューブ5歩」です。いつもよりも本数を多くして繰り返しました。そこから「二次加速スティック」を。ここも具体例を挙げながら。なぜこの練習をするのか。スプリントにおいて「加速局面」をどのようにとらえるか。「走るだけ」の練習から「目的のある走り」に変えていきたい。「目線」や「ピッチ」、「身体の角度」も踏まえながらです。
そこから前半マーク。この辺りまで来ると「お?!」と思うことが増え始めます。初日に全くできなかった部分が改善されてきます。こういう部分があるからこちらも「楽しい」と思えます。選手と話をしても「できるようになった」「分かってきた」と言葉で示してくれます。もちろん、「お世辞」や「気を使って」の部分はあると思います。それでもこうやって「感覚が変わってきた」とか「流れがスムーズになってきた」と言われるとこちらとしてもうれしいですね。「客観的」にみて「良くなってきたな」という部分と「主観的」に選手が「良くなってきたな」と感じる部分があればそれは大きなことだと思います。徹底的にやることで「間違いなく変化が生まれる」と思います。性格的に「飽きずにやり続ける」というのは他の人よりも優れているかもしれません。
せっかくなので「カーブ直線」をやる。この局面は非常に「スピード感」が得られる。普段の学校での練習ではカーブがないのでできません。こういう機会に。何本かやる中でかなり良くなりました。最後に60mを2本走って総まとめ。距離は走ってませんが、本数的にはそれなりかもしれません。
ハードルはちょっとお任せ。社会人で教員、今でも競技を続けているnsy先生が午前中から来てくれていました。自分も練習に参加しながら選手にアドバイスをしてくれる。途中かなりダメージを受けていましたが。教員となり「時間がない」なかで何をするかを考えてやっていると参加選手に話をしてくれました。あれもこれもやりたいが時間がない。そうであれば「これだけは外せない」という練習を集中的にやることが重要だと。まさに。ハードルはホームで走っていました。遠目に見ながら気になった部分は大きな声で指摘。広い視野の中で練習ができました。
2日目終了。よくやってくれていると思いました。「強くなりたい」という気持ちをもって参加してくれているのでその部分にどうこたえるか。自ら質問しないといけない場面も出てきます。うちの選手は特に。「何が自分のためになるか」を判断しながらできればいいなと思っています。
良い練習ができたと思っています。今やっている事が「力のある選手」にどのように反映されるかを確認できました。自信が持てます。まだまだ細かい部分は足りないと思いますが、勉強しながらより良い指導ができるようにしていきたいと思っています。