kanekoの陸上日記

毎日更新予定の陸上日記です。陸上競技の指導で感じたことやkanekoが考えていることなどをひたすら書きます。

国体合宿3

2020-12-29 | 陸上競技

日曜日。国体合宿3日目。かなり数を絞っての練習になっているのである程度の効果が得られます。大規模の練習になるとこちらも目が届きにくくなる。これは仕方ないかなという感じですが。「目的」に応じてどのように取り組むかをしっかりと見極める必要があります。

 

最終日はメイン競技場から補助競技場へ。風もほとんどない状況だったのでできる場所であればどこでも構わないなという感じもあります。この日はコーチの学校の選手が数名参加。前日よりも少し人数が増えています。国体候補選手は本当に少ないのでどちらかというと「雰囲気づくり」のためにうちの選手たちが貢献してくれている感じでした。

 

この日は他のコーチにお願いして少しだけうちの選手にも声をかけてもらうようにしました。私が普段見ているのでそれ以外の視点から気づきを教えてもらえることで選手にプラスになると考えたからです。毎日見ていると気づかないことも客観的に見てもらえるとわかることもある。どうしても同じ部分が気になってくるのでそこをどうするか。

 

練習自体は「補強」から「基本」への流れ。ここは変えません。「軸」「重心」の話の流れの中で「倒立」を実施。うちは普段からやっていますがなかなかできない選手もいます。身体のラインが作れるかどうかも大きいと思っています。自分の走りにプラスになるように取り組む。重要な部分だと。

 

「基本」に関しては前日からの流れの中で。この日はあえてハードルを使いませんでした。チューブ中心に「膝締め」と「直線的な運び」を。ある程度やってきた選手はそれなりに形になってきました。練習は偉大です。こういう部分を徹底的にやっていくともっともっと競技力が上がるのではないかなと思っています。これは個人的な意見なので「動き」はそこまで重視されないという指導者もいると思います。何が正解で何が間違っているのかは分かりません。目の前の選手のレベルに合わせての取り組みが重要なのかなと思ってはいます。

 

そこからはひたすら動きの基本を。これも前日の午後にやった部分の復習です。400m選手の「加速局面」について前日話になっていました。この部分をどこかで修正できればなと。ogw先生に専属で付いてもらって確認をしていくことに。国体を見据えてある程度のコミュニケーションをとっていかなかなければいけないと思っています。試合の日だけ見てサポートするのは難しい。準備をしっかりとしていけたらいいのかなと勝手に思っています。

 

一歩目、チューブ五歩、二次加速スティック。この辺りは前日やっていない選手もいるので確認という意味も含めてもう一度説明しました。「理解」と「実践」。確認しながらやっていきました。ショートスプリントを走るという意味。長い距離をひたすら走れば足が速くなるとは思えません。速くなるのかもしれません。この辺りは正解が見えない部分ですが。私は「段階を追って走りを作っていく」ということが重要だと思っています。普通の選手が速くなるためにどうするか。ここを考えたい。まだまだ細かい部分が疎かになっているとは思います。もっともっと徹底していきたい。

 

前半マークをやってから中間マークまで。それぞれの課題を説明してから。まだ一歩目で浮いてしまったりする。しかし、最初に比べると「その場足ふみ」状態だった走りから変化は生まれています。こういう部分を「楽しい」と思えてもらえたらいいのかなと思っています。明らかに変わりました。もっと走ったほうが良かったのかもしれませんが。この部分は分かりません。「走り込み」を中心にした合宿にするのか、「基礎の徹底」を中心とした合宿にするのか。これによって練習内容は大きく変わります。今回は後者でした。選手にどうだったのかをもっと聞いてみればよかったなと思います。

 

午後からは補強。基礎筋力を上げていくというテーマもあります。「基礎」的な「技術」と「筋力」は両輪だと思っています。最初はゲーム性を入れながら遊び感覚で動く。その後、「股関節補強」を。見ているとここに「大きな差」がありました。中学時代に全国入賞の経験がある2人。遊び感覚でやる練習のときには誰よりも騒いでいます。しかし、「補強」になった時に途端に表情が変わります。今回やった「股関節補強」は動きは地味ですがかなりきつい。大半の選手は前の「遊び感覚」の中でやっていくのでかなり誤魔化します。腰の位置が高かったり早くやってしまったり。しかし、2人はゆっくり一歩ずつ確認をしながら取り組んでいます。

 

正直、驚きました。自重しか使いませんがかなりの負荷です。楽をしようと思えばどれだけでもできる。しかし、この二人が誰よりも丁寧にやっている。他の選手が終わっていてもまだ半分もできていません。それくらいゆっくり正確にやっているのです。そのことを補強中に全体に投げかけましたが「きつい」という言葉が先に出て負荷をかけることができません。

 

この種目が終わってから全体を集めました。しっかりと負荷をかけていた選手に話を聞く。

 

「きつくなかったか?」と聞くと「めちゃくちゃきつかったです」との返答。「では、何故あれほどゆっくり丁寧に取り組めたのか?」との問いにはすぐに「勝ちたいからです」と。ここが全てだと思います。正直、参加しているメンバーの中で一番競技実績があります。全国で入賞経験がある。しかし、その選手が他の選手よりも一生懸命に手を抜かずに取り組む。その理由が「勝ちたいから」と。こういう気持ちで取り組める選手と一緒にやると私たちも「良かった」と思います。その姿を見ることができる。ありがたい。

 

逆にこの選手よりも力がない選手たち。補強も「きついから」ということで「楽」をします。筋力も上がりません。それで本当に良いのか。自分よりも強い選手が自分よりも努力して筋力を上げようとしている。この姿、この言葉を聞いて何を感じるのか。「追い込めばいい」とは思いません。大半の選手は「最大負荷」をかけることができない。「追い込む」ということができないのです。そこには「大きな目標」があるかないかの違いもあると思います。全国て勝ちたい。そういう想いが苦しさやきつさに打ち克つのだと思います。

 

「楽して速くなりたい」と思うのは誰でも同じです。しかし、そんな簡単な方法はありません。トレーニングは自分自身でやるしかないと思っています。代わりに誰かがやってくれてもそれは意味がない。選手には何度も「補強の取り組みが競技に対する気持ちの現れ」だと言っています。手を抜こうと思えば誰にでもできる。しかし、本当にやろうと思えば自分自身で気持ちを強く持ってやっていかなければいけない。それが顕著に出てきます。

 

こちらも気持ちが引き締まる思いでした。こういう選手と一緒に練習ができると私たちも楽しい。できればうちの選手もこのように「強くなるために」「勝つために」という気持ちを持ってもらいたい。それが「県」でもいい。「中国」でもいい。もっといえば「過去の自分」でいいと思います。記録を短縮するためにはこれまで以上にきちんと取り組まなければいけない。その「想い」があるかどうかだと思いますね。

 

最後に「総監督」から「欠点をなくす」という話がありました。「長所を伸ばす」というのはもっともっと競技力が上がってからの話。最初の段階は「欠点をなくす」ための取り組みをするほうが競技力は上がる。そういう部分を理解して冬季練習を取り組んでもらいたいと。まさに。凸凹では結果にはつながりにくい。できるだけ大きな丸を作る。欠点を補いながらです。技術的なことも筋力的なことも「時間がかかる」のです。そこでどのように取り組むか。選手次第だと思います。

 

貴重な時間でした。指導する機会を与えてもらえてありがたいなと思います。これが選手にプラスになればいいなと。

 

思うことは色々とあるのですがまた時間があれば書きます。あれば。

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