あまでうす日記

あなたのために毎日お届けする映画、本、音楽、短歌、俳句、狂歌、美術、ふぁっちょん、詩とエッセイの花束です。

東京国立近代美術館にて「安田 靫彦展」をみる

2016-04-25 11:18:38 | Weblog


蝶人物見遊山記第202回



近現代の日本画はどちらかというと苦手なので、普段からあまり見物しないのだが、大宣伝とネームバリューにつられて覗いてみて、やっぱり後悔してしまったずら。

確かにその描線は明晰で、清方には遠く及ばずとも色だって悪くはないんだが、それがどうした。絵描きとしての腕はすでに15歳にして完成していて、それがさしたる成長もなく90過ぎても延々と続いていったんだなあ。

有名な黄瀬川陣とか「源氏挙兵」「飛鳥の春の額田王」なんかを見ても、余白を上手に使った緊張感のある構成は巧みで、タッチは精確にして清潔とは思うものの、画面に対峙して動的な感興が湧かず、心はただただ冷え込むのみ。

珍しくも会場にある百余の作品のうち、ただの1点も欲しいとは思わなかった。こんなことなら同じ時間を国芳に振りむけたかったなあ。くそったれ、金返せ。ええ腹が立つ。


   日本語をブツ切りにする安倍晋三国家国民もブツ切りしている 蝶人
コメント
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