あまでうす日記

あなたのために毎日お届けする映画、本、音楽、短歌、俳句、狂歌、美術、ふぁっちょん、詩とエッセイの花束です。

西村敏雄作「どうぶつサーカスはじまるよ」をみて読んで

2017-07-07 14:58:33 | Weblog


照る日曇る日第976回

「パンパカパーン、ようこそみなさん!ただいまよりどうぶつサーカスをはじめます。」
というて始まる動物たちのサーカスを西村選手が絵に描き、物語る絵本です。

司会はアザラシで、ライオンの火くぐりからはじまって、カンガルーの棒遊び、ワニの組み体操、ウマのダンス、ゾウの噴水まではなんということもなく式次第が進むが、最後の空中ぶらんこがサルの怪我でキャンセルされたところで観客が騒ぎ出す。

するとアザラシが、「それではお客さんにブランコをやっていただきましょう」と居直り、あろうことか「そこのブタくん、どうですか」と指名すると、ブタくんが「きょろきょろしながら立ち上がる」ところがなんといってもアンガージュマンの高鳴り、エランヴィタールの輝き。

お客さんが「ブーターくん、ブーターくん」と大合唱するなか、ほんとうのホントにブタくんは「そりゃー、おかあさん!」と叫びながら見事に空を飛ぶのです。

こんな快挙は、人世はもちろん、絵本や童話の世界でも、そうザラにはないぞ。血湧き肉踊る素晴らしい絵と素晴らしいセリフにパチパチパチ!!


  E席3000円即完売のコンサートもっとE席を増やしてくれよ 蝶人
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