西暦2017年文月蝶人狂言綺語輯&バガテル―そんな私のここだけの話 op. 255
ドラマ「シカゴメッド」では、担ぎ込まれた患者をスタッフが「1,2,3」と掛け声をかけながらベッドに移す。なんだか楽しそうなので、私も一回やってみたいのだが。7/1
ドラマ「シカゴメッド」では、重篤な患者が手当ても及ばず死んでしまうと、医者は時計を見ながら「死亡時刻何時何分」と吐き捨て、そのまま部屋を出ていくのだが、あれでは患者は浮かばれないのではないだろうか。7/2
自民党がここまで敗北するとは驚いた。民進党はもう終わりだね。それにしても第2自民党の小池&小池新党の一体どこがよくてあれほど急激に靡くのかてんで分からない。都民自身にも分からないのではないだろうか。7/3
先月の28日、児童精神科医の佐々木正美先生が81歳で逝去された。先生は自閉症の長男を温かく指導してくださり、自閉症に対する世間の偏見、無知と闘い、私が手がけた「神奈川県域自閉症児者親の会」の立ち上げに支援を惜しまれなかった。黙祷。7/4
羽黒山は現在であると同時に死の入り口であり、つぎの月山で死ぬ。月山は死後の世界である。死んでから湯殿山に登って御神体の岩から湧き出る湯の命をいただいて蘇る。嵐山光三郎「芭蕉という修羅」7/5
荒海や佐渡によこたふ天河の句は、芭蕉の内面に描かれた宇宙である。「見えないもの」を見るのが芭蕉の目玉で、芭蕉の眼前にあらわれる風景は「見るものではなく感じるもの」である。これは隠密の直観に通じる。7/6
「おくのほそ道」は歌仙形式の紀行であるが、謡曲を各地の風光にあてはめている。それは「殺生石」「遊行柳」黒塚」鵜飼」邯鄲」実盛」などの名場面を幻視する旅でもあった。嵐山光三郎「芭蕉という修羅」7/7
芭蕉は死ぬ気で旅に出た。それは山岳仏教の「死んで命を入れ替える」ことでもあった。彼は「命がけの隠密紀行」を「風雅な旅」に転化するために、隠密の情報に関する部分をはずし、歌仙の形をとるみちのく俳諧紀行、「おくのほそ道」を書いた。7/8
日本の男は勤め先では背広を着て、家に帰ると着物に着替えてくつろぐのと同様に、公務員、会社員としては、その立場に沿うような発言をし、家に帰ると趣味や密やかな私的生活に耽る。その分裂が、あれほど融通無碍に見える正岡子規にも窺える。森まゆみ「子規の音」7/9
私が根岸を歩き始めた40年以上前、上野の向こうの隠れ里とでもいうように木造の古い家並みが続いていた。それらはいま消滅に近く、美しい東京弁を話してくれた根津っ子もいない。私はかつて見たあの朽ち葉色の根岸風景を記憶の中に辿っている。森まゆみ「子規の音」7/10
高安は相変わらずの腰高が修正されず、稀勢の里はまるっきり怪我の後遺症から回復しておらず、田子ノ浦親方はちんぴらで、両人に対する何の指導力も発揮できないので、名古屋場所は前途多難ずら。7/10
まず最初に共謀罪を適用すべきは戦後日本の自由民主主義と平和憲法、基本的人権、表現の自由、三権分立、立憲主義を共謀謀議によって傍若無人に棄損した安倍蚤糞内閣と自民党ではないだろうか。7/12
人は、自分で死んでみるまでは、人が死ぬということの本当の意味を知ることは、ついにないのだろう。7/13
朝、カラスの不気味な鳴き声で起こされた。私はカラスや画眉鳥の鳴き声は嫌いだが、スズメやウグイスやホトトギスやコジュケイの声は好きだ。7/14
明治22年3月の体力測定の結果が残っている。子規164センチ、胸囲81センチ、体重約52キロ。夏目漱石は158センチ、79センチ、52キロで子規の方がやや体格はいい。「三四郎」の主人公の身長を165センチとしたところに漱石の理想の身長がしのべるかもしれない。森まゆみ「子規の音」7/15
子規は授業中の内職で「いたづら当字」を作っている。絵好きEconomy、今晩聖書無Conversation、明日取蚤Astronomy、火巣鳥History、常食火Geography、妻艶洲Science、どれもすてき。しかし妻殺児Psychologyとなると物騒だ。森まゆみ「子規の音」7/16
子規は士の子である。残念なことだが子規にとっては日清戦争を歌うのも「文学者として千載一遇」に思え、「どうかして従軍しなければ男に生まれた甲斐がない」と思い詰めた。森まゆみ「子規の音」7/17
台湾と香港、そしてすべての隣国を強権で威嚇し、死せる劉暁波氏の墓すら作らせない。時折偉そうに北朝鮮をたしなめたりしているが、中国という国には、民主主義も、言論の自由のかけらもない。7/18
偉大なる日野原翁、105歳で召天。自閉症を病気と勘違いしている不勉強な医師ではあったが、戦後民主主義と憲法第9条の体を張った旗手でもあった。合掌。7/19
元NHKの女性アナウンサーの後藤美代子さんが、86歳で亡くなった。この人はカラヤンやベームの来日コンサートというと決まって番組案内を務めていたが、そのよく通るソプラノは、森麻季のヒステリックなキンキン声より遥に美しかった。7/20
きのう長男が施設のトイレに携帯を落としたという。auに電話して使用中止にしたのだが、通信音から判断すると水没していないという。ほぼ24時間経過したがまだ出てこない。はてさてどこへ消えたか天然記念物的超簡単ガラケー。7/21
半年間であれくらいやりたい放題をやった大統領はいないだろう。何百倍、何千倍の時間をかけてだが、同じような暴挙と愚挙をやり尽くした極東の島国の宰相と手に手を取って歴史の舞台から引退し給え。7/22
次々に懐かしい有名人が死んでいくが、できれば全員「やすらぎの郷」に出演して、今生の挨拶を終えてからにしてほしいものだ。7/23
衆院の閉会中審査の参考人にどうして加計理事長や安倍蚤糞夫人が登壇せず、まったく無意味な愛媛県元知事が大政翼賛忖度発言を連発して時間を無駄に消費するのか不可解。岩盤掘削と官邸主導加計独走とはなんの関係もない。7/24
友達の便宜を図ってなんとかして新学部を作ろうとする安倍蚤糞の意向を忖度し、ありとあらゆる便宜を図ろうとする蛆虫ども。この醜悪な構図に嫌気がさした有権者たちが、安倍蚤糞の退場を要求している。7/25
トランプ、プーチン、金正恩、習近平、安倍蚤糞etc、世の中はむしろ存在しないほうがはるかにマシな「悪しき健常者たち」で満ち満ちている。こういうろくでなしどもに比べたら「金輪際悪事をしでかせない超重度の障害者たち」の方がどれだけ人間としての存在価値が高いことか。7/26
この1年間、やまゆり園殺傷事件の被害者と犯人について物思いに耽らない日はほとんどなかったが、1周忌がやってくるとマスコミは狂ったように朝から晩まで騒ぎ立てる。そしてあと3日もすれば誰も何も言わなくなるに違いない。そんなもんか? そんなもんだ。7/27
無能な人物が、国家や政党の重要な職務を担当すれば、結局国民の不利益と災厄をもたらす。稲田防衛大臣と蓮舫代表の辞任。7/28
「やすらぎの郷」にまだ野際陽子さんが出演している。出演シーンがなくなったときが、お別れのときである。7/29
今度の党首選でどちらが勝っても、民進党は左右に分裂するのではないだろうか。右派は小池新党、自民、維新に吸収され、左派は共産、社民、自由との連合をもくろむのだろう。7/30
上の家は、刈った枝葉を断りもなく落としてくるし、隣の家は、垣根を越した枝葉を刈ってくれと言うてくる。はてさてどちらがよき隣人ならんか。7/31
野際陽子が「やすらぎの郷」に出ている限り野際陽子は生きている 蝶人