あまでうす日記

あなたのために毎日お届けする映画、本、音楽、短歌、俳句、狂歌、美術、ふぁっちょん、詩とエッセイの花束です。

EMI盤グィード・カンテルリ指揮CD9枚組を聴いて

2017-08-28 11:45:19 | Weblog


音楽千夜一夜 第398回


1920年生まれのイタリア人指揮者のグィード・カンテルリは、1956年11月24日未明、パリ発の飛行機が郊外で墜落し、36歳で不慮の死を遂げましたが、その8日前にスカラ座音楽監督就任が発表されたばかりの死は、世界中から惜しまれました。

この9枚組のCD(9枚目は彼の演奏を偲ぶドキュメンタリー)には、彼が死の直前までフィルハーモニア管弦楽団を振ったベートーヴェンやモザールをはじめ、シューベルト、シューマン、メンデルスゾーン、ブラームス、チャイコフスキー、ドビュッシー、ラベルなどの貴重な演奏を聴くことができます。

彼の最後の録音となったベートーヴェンの交響曲5番には、第1楽章が欠けています。NYフィルへの客演を終えてからキングズウエイホールで録る予定だったと伝えられますが、それが実現される日はついに訪れませんでした。

その5番も7番も、師と仰いだトスカニーニのそれを思わせる雄渾な表現です。


  死ぬときはわいらあたった一人やたのんまっせみすてんといて 蝶人


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