あまでうす日記

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鎌倉小町通りの鏑木清方美術館で「手元で愛でる卓上芸術展」をみる

2017-09-11 14:35:59 | Weblog


蝶人物見遊山記 第254回


「卓上芸術」という魅力的な言葉に惹かれて、まだ暑い盛りで世界中からの観光客や車曳き屋、さしたる根拠もなく延々と並んでいるお客がうじゃうじゃしている小町通りを、「ええい糞たったれ、邪魔だ、邪魔だ」とかきわけるように突進し、左折しました.

例によってガラガラの館内には、かの有名な「一葉女史の墓」をはじめ、いつものように情趣豊かな日本画が並んでいましたが、「注文帖画譜」や大正元年制作の「夏の思い出」という小振りの絵巻物のほかには「卓上芸術」らしき作品は展示されておらず、これは多少看板に偽りありかもしれません。

清方選手によれば、満員の肩越しに絵画を鑑賞する「会場芸術」ではなく、画帖や色紙、挿絵などの印刷物を手元で心ゆくまで鑑賞できるのが「卓上芸術」だあ、ということらしいのですが、そう種明かしされても驚くようなことはなにもありませんでした。

私見では「卓上芸術」の名にもっともふさわしいのは、お気に入りの詩集と盆栽の鑑賞ではないかと思うのですが、この場に結集された全国の学友諸君、さあていかがなもんでしょうか。

なお本展は来る10月25日まで同館にてさびしく開催ちう。


   北朝鮮にどんどん圧力加えれば屈伏するとでも思っているのか 蝶人


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