照る日曇る日第991回
中原中也の30年の短い生涯とそれを荘厳した前人未踏の名編を著者独自の視点で考察していく。
なかには第6章「誰にどのように読まれたいか」におけるチェホフの「黒法師」の取扱のように、いささか牽強付会の強引な所論もあるのだが、読んでいるうちになんとなく説得されていく道行きは、かの梅原猛氏のひそみにならったか。
「あとがき」では「風が立ち、浪が騒ぎ、無限の前に腕を振る」というリフレインで知られる「盲目の秋」が引用されている。
「東北の被災地の海岸で、目の前に「風が立ち、浪が騒ぐ」荒涼たる風景を見ながら、中原中也は何と普遍的な詩の世界に立ち向かっていたのか、とわたしは改めて思ったのだった」という著者の言葉には深く頷いたことであった。
限りなく北朝鮮に圧力を加えても雑草を食べながらミサイル作るとプーチンはいう 蝶人