ある晴れた日に 第478回
立冬や高速走る駝鳥かな
翡翠一羽天啓の如く閃きぬ
幼児語の介護に耐える老婆かな
ジョーカーが行きつ戻りつ終盤戦
その柿をもごうとせしがためらいぬ
帰化人は我田引水渡来人と呼ぶべし
つつがなく一生を終えるは大事業
○○宮の葬儀代のおよそ二円が私の負担
またしてもパスワードを忘れてしまい自分のアクセス侵犯を試みる電脳スパイ
人間も生きているうちは資源だけれど死ねばやっぱりゴミになるんだ
「耕君って自閉症なの」と尋ねたら「分かりませんお」と答えし長男
生きてれば年金もらえるもらえれば息子の年金がはらえるだから生きてる
19人を殺し26人を傷つけし元職員は生活保護を受く
包丁で何度も首や胸を刺すあに安楽死というべけんや
金輪際虫も殺せぬ19人をウエマツサトシは刺し殺したり
はじめこそ大衝撃なりしがいつの間にかトランプ大統領にも慣れていく
七十歳の大統領が説く未来七十二の我は冷やかに聞く
沖縄よヤマトンチューより離脱せよかのセボルガ公国のごとく
弘明寺の観音通りの坂道の袂にありしレコードショップ
かたばみの花に憩えるヤマトシジミ私の好きな日本はここ
「しっかり乾燥させなさいよ」と洗濯機に言い聞かせている私の奥さん
不惑過ぎなお無垢にして幼児なり障ぐあい者こそ天の賜物 蝶人