照る日曇る日 第1196回
「不思議の国のアリス」の続編であるが、正編と同様さほど面白いものではなく、まして世紀の傑作であるなどと泣いて喜ぶほどのファンタジーでもない。
「不思議の国のアリス」ではトランプが出てきたが、本書においてはナボコフの「ルージン・ディフェンス」同様、チェスとそのゲームの規則が出てきてちと鼻白む。かの国の人たちは、よっぽどこのゲームが好きなんだな。
でもアリスをとりまくキャラクターは相変わらず多士済々で、ハンプティ・ダンプティ、トゥイードルダムとトゥイードルディー、ライオンとユニコーンなどの登場は忘れがたいものがある。
「愚か者」「慌て者」と「怠け者」三つのうちから一つを選べ 蝶人