あまでうす日記

あなたのために毎日お届けする映画、本、音楽、短歌、俳句、狂歌、美術、ふぁっちょん、詩とエッセイの花束です。

箱根の「ポーラ美術館」と「箱根ラリック美術館」をみて 

2019-02-21 12:50:10 | Weblog


蝶人物見遊山記 第304回


金婚の佳き日を迎えたIご夫妻のお招きを頂いて、久しぶりに箱根を訪れ、楽しい2日間を過ごしました。

いつもそぞろ歩く湿性花園は、春なお遅くまだ開いていませんでしたが、2つの美術館を探訪することができました。

ポーラ美術館では「モダン美人誕生美術~岡田三郎助と近代のよそおい」、「名画の時間」などを同時開催(3月17日迄)していました。前者では年譜を見て岡田三郎助の奥さんが小山内薫の妹、八千代であると初めて知ったのですが、この2人どうも仲が悪かったらしい。三郎助はどうやら彼女に専業主婦をやってほしかったらしいのですが、小説家、戯曲家の妻君は、主婦業に甘んじることなど到底できなかったようで、その不機嫌がモデルになった「支那絹の前」にはもろにでている。ところがそんな仏頂面した妻の絵を夫は生涯手元に置いて大切にしたといううんだから、夫婦の間はよく分かりません。この絵のモデルになってから5年後、ついに夫婦は別居しますが、さらに5年後夫がパリに留学した時には一緒についていって、夫の帰国後も一人で滞在している。なかなかユニークな2人の男女です。

収蔵コレクションの「名画の時間」では、アンリ・ルソオの「エデンの園のエヴァ」をはじめ、マチス、ピカソ、ゴッホ、ルノワール、龍三郎、それにルオーの絵本画などをみることができて幸運でした。

ルネ・ラリックやドーム兄弟などの作品を集めたラリック美術館では、「あかりの恐競演」展を来る3月17日まで開催中。この地を訪れる度に、いったい誰が1920年代のアール・ヌーヴォーのガラス工芸と宝飾の精華を収集したのか、不思議に思うと同時に、いつまでも公開続けてほしいと願わざるを得ない。


 ルネ・ラリックがガラスで精巧に拵えた巨大なアブラゼミが絶対欲しい 蝶人

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