照る日曇る日第1488回
大布教家パウロが語るイエスの教えとの出会いからはじまり「割礼」に話が及ぶ。
ユダヤ教徒として生まれた男子は、旧約聖書で定められているとおりにペニスの亀頭を覆う皮皮を切断しているから問題ないが、パウロが伝道した広大なヘレニズム世界の住民は、そんな儀式などてんでお呼びではない。
それでも彼らに無理矢理割礼すべきか否か大問題になったようだ。
結局パウロは、あれやこれやの預言者の発言を引用したり、彼独自の見解をフューチャーしたりして大童で「信仰さえあれば割礼の有無は問題ではない」という結論に辿りつく。
この苦し紛れの折衷案によって、初期キリスト教は爆発的な入信者を獲得することができたが、しかし「創世記」17章10節の「男子はみな割礼を受けよ」とする契約条件からの大きな逸脱、違反であることは間違いない。
「なーんもかもぜーんぶ嫌になっちゃった」「そういう時は死んだふりだよ」蝶人