照る日曇る日第1483回
輝ける預言者パウロ選手による3次に及ぶ大伝道ツアーは、シリア、カパドキア、ガラテヤ、リキア、リデイア、アジア、ミシア、アカイア、イタリアを経てついにローマ帝国の首都にまで達する。
その得意や思うべしであるが、パウロによって説かれる神の義、信仰の義、霊による命、神の愛などの話は、それまでの共観福音書やヨハネ伝におけるイエスの言葉と違って妙に理屈っぽく、論争的で上意下達の威圧もあり、読んでいて不愉快である。
パウロは元がパリサイ派の論客だったから、ギリシアの哲学者たちと好んで議論を戦わせたりしたのだろう。中世スコラ派の宗教哲学問答の端緒は、すでにここにある。
「なにゆえに6名除外に黙っている」「俺は除外されない学者なんだ」 蝶人