あまでうす日記

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聖書協会2018年版新約聖書で「使徒言行録」を読んで

2020-10-22 14:01:24 | Weblog

照る日曇る日第1482回


私の少年時代には「使徒行伝」であったが、今は「使徒言行録」と読みならわすらしい。いずれにしても、イエス昇天後、地上に残された弟子たちの言行と布教活動を、詳しく今に伝えている。

12弟子たちが最初にやったことは、裏切り者ユダの欠員を埋めることだった。ヨセフとマテイアの2人の候補者の中から籤引きで!後者が当選したというが、前者はその後どうなったのか気になる。

この時期の12弟子たちは、どうも団体生活をしながら布教していたようだが、その代表選手がペトロである。ガリラヤ湖で漁師だった人が精霊の助けを借りてではあろうが、雄弁に主の教えを語り、イエス直伝の数々の「奇跡」までやってのけ、あまつさえユダヤの外部のアジア州にまで宣教の足を延ばしていくのでるので驚いてしまう。

やっぱり信じる者は、山をも海に移すことが、できるのだろうか。

当然弾圧も加速したが、初期キリスト教徒たちの活動は目覚ましく、各地で大きな成果を上げたようで、12弟子以外にステファノなど7名の優秀な使徒たちが新たに選別される。

大車輪の活躍を続けていたそのステファノの殺害に加わったのがサウロであるが、その凶悪な元テント職人が、アショーカ王さながらに劇的に回心するや、昨日の敵に対する熱烈な支持者に転向し、ローマ帝国を含めたヘレニズム世界に住む無数の異教徒たちに対して、旧12弟子を凌駕するインターナショナルな宣教活動を繰り広げていくのである。

古代精神世界の一大驚異とは、このことだろう。


「死ぬほどのことがあったのでしょうか?」「あったのだろう結子さんには」 蝶人
コメント
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