カマキンで「たいせつなものⅠ」展をみて
蝶人物見遊山記第394回&鎌倉ちょっと不思議な物語第474回
カマキンで新収蔵作品展2015~2019を見物しました。美術館はどこでも少ない予算を塩梅しながら新作を購入しているので、カマキンはどんなんをこうておるんかと思ってみいにいったんですが、その大半が寄贈品だったのには驚きました。
最初にずらずら並んでいるジョニー・フリードランデルはんの色つきのエッチング12点なんかもぜんぶ寄贈品。題名だけは「四月」とか「朝の鳥」とか「第三者契約」とかがついとるけど、それらは全部交換可能で、似たり寄ったりの図形がずらずら並んでいる。
フリードランデルはんは1912年にドイツで生まれ、ナチスによって強制収容所に入れられたが、幸いにも生き延びて1992年に亡くなった版画家らしいけど、どこが良いのんかさっぱり分からん作風でした。
今回はそのほかの出品者も、須田剋太、柳瀬正夢いがいは殆ど今まで見たことも聞いたこともない作家ばかりでしたが、しいて言うと、ハンセン氏病患者と真正面から向き合った1947年生まれの木下晋という人の作品が、ど迫力があっていいなあと思いました。
なおこの展覧会は、来年2025年の1月19日の日曜日までやているので、それまで生きていて暇を持て余している方は、どうぞご覧になって下さいな。
死ぬまでになすべきことはみな忘れ空ゆく雲をじっと見ている 蝶人